われわれが死んだ後、「本当はタバコはよかったのに」といわれることが必ず起きるとぼくは確信しています。

島地勝彦×黒鉄ヒロシ 【第3回】
島地 勝彦 プロフィール

黒鉄 熱いネスプレッソをチェイサーにして冷たいシングルモルトを飲んでいると、美味くて病みつきになりますね。

シマジ わたしはもう、コレがなくては生きていけません。それで、どうして阿川さんと2人でハワイに行くことになったんですか?

黒鉄 まあ、「犯人は現場に戻る」なんて冗談でいっていましたけどね。

シマジ 阿川さんが真珠湾攻撃の現場をみたいといわれたんですか?

黒鉄 それまでに何度もみてるんでしょう。結局そのときは真珠湾には行きませんでした。阿川さんは戦時中、海軍に従軍されていたんですが、実際の戦場にはほとんど関係なくて、「無能な暗号解読班だった」とご自分でいってましたね。

話は飛びますが、日清日露戦争で日本人が勝てたのは武士道のお蔭です。大東亜戦争に負けたのは商人が台頭してきたからです。

立木 ああ、なるほど。しかし、また、随分と飛んだね。

シマジ 後段はともかく、前段の黒鉄説には納得ですね。幕末から明治維新のころに日本はよく欧米の植民地にならずに済んだ。それは江戸時代生まれの日本人が偉かったからだと思いますね。そういえば鴎外、漱石も江戸時代生まれの人でした。

それから明治14年でしたか、大槻文彦の『言海』が世に出たんです。英国には『オックスフォード大辞典』があり、アメリカには『ウェブスター辞典』があり、それに肩を並べる日本語の『言海』が誕生したことは欧米を驚かせたことでしょうね。

黒鉄 『ウェブスター』を日本に持ち帰ったのは福沢諭吉ですよ。

シマジ そうだったんですか。

黒鉄 当時から日本人の知的レベルは十分高かったんです。そのころもう世界文学がほとんど日本語に訳されていたんですから。

立木 それっていま考えても凄いことだね。

黒鉄 しかも当時の日本は漢籍が盛んでしたから、中国人はヨーロッパ留学をやめて日本にきたくらいです。朝鮮人も多くきました。

シマジ まだ鎖国していたころ、日本の学者たちは朝鮮から漢籍の偉い先生を招待して学んでいますよね。

黒鉄 いまは「妾」といってはいかんのですかね。あんなに本妻より厚く遇したのに急にお妾さんが怒り出したみたいでしょう。