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いちばん身近な最先端技術「家電」の開発現場に迫る!

西田宗千佳『すごい家電』前書き公開

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いちばん身近な最先端技術

読むほどに膝を打つ、おどろきの発想と技術──。

0.04秒ごとに沸騰と対流を制御し、「土鍋よりも美味しい」ご飯を炊きあげる炊飯器。

水の透明度から汚れ具合を判断し、槽の回転方向や速度を変える洗濯機。

人の動きを記憶・学習して効率的に冷暖房を効かせるエアコンは、自ら掃除するロボットまで内蔵する。

「より省エネで、より快適」を追求する現代の超技術=家電。

創意工夫が生み出される現場を探訪する。

はじめに

私たちが日々暮らすなかで、家電のお世話にならない日はありません。テレビのような娯楽機器から、洗濯機・冷蔵庫のような「生活家電」とよばれるもの、そして、照明機器や電気給湯器のような住宅にひもづくものまで、バリエーションは豊かです。

それほど、「電気」というエネルギーが使いやすく、私たちの生活にとって基盤となるものである、ということを示しています。

必要不可欠な家電機器ですが、ここ数年、どうも旗色がよくないように思えます。20世紀後半、私たちの生活が豊かになっていく上昇曲線と、家電製品が家庭に普及していくペースとは、同じような軌道を描いていました。

しかし現在、各家庭にモノがいきわたり、以前ほど家電製品に注目が集まりにくくなっています。家電はもはやあたりまえのもの、新しいテクノロジーとは無縁……、そんなふうに思っていないでしょうか。

──でも、違います。

家電製品は、忙しい私たちの家事の手間を軽減してくれたり、生活に潤いや楽しみを与えてくれたりと、実にたくさんの役割を果たしてくれています。各家庭に必ず十数種類はある家電の“お目付け役”として、節電と省エネに努める家電も登場しています。

家電Illustration by Getty Images

そのような多様な機能を実現するには、さまざまな科学的背景に基づく知識と、新たな技術開発が必要です。毎日なにげなく使っているあの家電もこの家電も、実は、おどろくほど高度な知恵とテクニックの組み合わせで成り立っているのです。