軽減税率・自民と公明「大モメ」の全真相!
~自民党に激怒した山口代表と、ホンネがちらつく安倍首相

鈴木 哲夫 プロフィール

金額の議論ばかりでいいのか

だが、今回「軽減税率」が何らかの決着をしたところで、私は大いなる不満と疑問を抱く。それは、目先の税収減がいくらになるかという金額に議論が矮小化され、本来「軽減税率」とはどんな考え方であるべきか、何が適用されるべきかという国民を巻き込んだ議論がまったく足りなかったことだ。

今後も社会保障費を消費税でまかなうとすれば、税率はますます上がって行くことが予想される。すべて社会保障をカバーするためには「消費税率25%」などという試算もある。しかも、将来は少子高齢化が進み生活様式も幸福感も価値観もすべて変わってくる。そう遠い話ではない。向こう10年で日本社会は変わる。

そうした中で、軽減税率の対象が食品関係だけでいいわけがない。たとえば少子高齢化に伴って必要な生活用品も出てくるだろう。一人暮らしのお年寄りは劇的に増え外食する。では外食を加えなくていいのか。交通費などはどうなのか。

10年先の社会を見据えた、もっと深い議論が与党の使命だったのではないか。「軽減税率」が単なる政党支持のための道具や、政局の駆け引きに扱われてしまったことに、自公には反省が求められはしないか。