軽減税率・自民と公明「大モメ」の全真相!
~自民党に激怒した山口代表と、ホンネがちらつく安倍首相

鈴木 哲夫 プロフィール

安倍首相のホンネ

さて、肝心の安倍首相は、この「軽減税率」に対してはどんな姿勢で臨んできたのか。実は関係者などの証言から、首相は早い段階から「軽減税率の導入」と「公明党に譲る」という政治決断をしていたようだ。

まずは今年6月。当時まだ自民党の税調会長だった野田毅氏と、軽減税率に慎重な姿勢の財務省、それに公明党の北側一雄副代表らが、「一旦すべての品目で消費税を徴取した後、一定額だけ還付する方式」を検討。

事務方がこれを安倍首相に報告したが、このとき首相が真っ先に聞いたのが、方式の中身ではなく「公明党はそれでいいと言ってるの?」ということだったという。

事務方は、北側氏も参加していたことなどから「OKです」と答え、首相も「それならいい」と一旦この案が了承された。ところがのちに公明党の組織全体がOKを出していないことが分かり、新聞報道でもこの方式の問題点が指摘されたこともあって、結局還付案は潰れた。

ただ、首相側近は「あのとき、いの一番に公明党の反応を聞いたということは、首相は軽減税率では全面的に譲るハラをすでに固めていたのではないか」という。

次は内閣改造前日の10月6日。安倍首相はある公明党幹部と短時間ながら話す機会を持った。この場で公明党幹部は「軽減税率をやらなければ大変なことになる」と話しかけたところ、首相はそれを遮るように「軽減税率はやります」と断言したのだ。これを受け、数日後、菅義偉官房長官がテレビで「軽減税率は公約。やる」と発言している。

さらに11月初旬。安倍首相は公明党幹部に密かに「13日から外遊なので12日に谷垣幹事長に軽減税率をまとめるように言う」と伝えてきた。

ところがここでひと騒動起きる。谷垣氏が、その1週間後に早くも公明党の井上義久幹事長と会談したのだ。