軽減税率・自民と公明「大モメ」の全真相!
~自民党に激怒した山口代表と、ホンネがちらつく安倍首相

鈴木 哲夫 プロフィール

温厚な山口代表が激怒した!

また、先月、公明党の山口那津男代表が、親しい議員らとの会合の席で珍しく語気を荒げ「ほどほどにしろ、だ」と自民党の姿勢を批判したという。普段は冷静で論理的な山口氏。その場にいた公明党議員は「代表は自民党の恩を仇で返すような行為に激怒している」と解説した。

それにしても、公明党がこの「軽減税率」についてここまでこだわる背景にはなにがあるのか。別の公明党幹部は、「3年越しの怨讐がある」と事情を解説する。

「3年前というのは、民主党政権の末期のころの出来事を指している。当時、民自公の3党で税と社会保障の一体改革に合意して、『話し合い解散』に向けて環境整備することになったが、このとき公明党は、創価学会員など支援者への説得に大変な骨を折った。

なぜ増税のために選挙をやるのかという不満の声に対して、議員が手分けして全国を回り、解散のために仕方ない、そして必ず『軽減税率』をやると約束して納得してもらった。あのときから『軽減税率』は支援者との固い約束になっているんだ」

公明党にはもうひとつ言い分がある。それは、自民党が政権に復帰して以降、公明党が安倍政権に対して数々の政策的な譲歩を行ってきたことだ。公明党中堅議員が振り返る。

「去年7月の集団的自衛権の閣議決定、そして今年9月の安保法制は、『平和の党』公明党としては苦悩の連続だった。支援者に対しては、我が党は安倍首相や自民党のブレーキ役になると説明してきました。

これも消費税のときと同じように地方議員まで総動員して支援者のところを説明して回りましたが、私が説明に行った九州では特に年配の方々の反発は凄かった。『自民党について行く下駄の雪か!』と言われたのもこのとき。『この調子じゃ軽減税率も言いなりか』と。私は『軽減税率は絶対やる』と断言しました」

前出幹部は、「消費税も安保も『生活者の党』『平和の党』という看板を安倍首相に譲ってばかり。ここで『軽減税率』をやれなかったら支援者が見放す」と言う。

自民党内にも公明党への理解を示して、佐藤勉国対委員長のように「安保法制の借りを返しここは公明の主張を聞き入れるべき」と谷垣幹事長らにこっそり進言する動きもあったことは、付記しておきたい。