提供/日本アムウェイ合同会社
Text by Hiromi Aizawa / Photographs by Yoshio Tanioka
終身雇用と年功序列という日本の雇用形態の崩壊が叫ばれるようになって久しい。契約社員や派遣社員など、雇用形態が多様化するにつれ、起業という選択をする人も増えてきた。経済のグローバル化が進む一方で、従来の大企業の枠に収まらない優良な中小企業やベンチャー企業など、スモールビジネスは確実に増えてきている。
起業は社会にとって、革新や復興の重要な供給源である。2009年にスタートした「アムウェイ起業精神レポート」は、アムウェイが行っている、起業に対する意識や各国の環境を広範囲に測定する調査だ。
世界では、起業家を増やすために、さまざまな教育や法整備、さらに、資金面での支援などを準備しているが、一般の人々は起業に対してどのように感じているのだろうか。また、世界中の国では、どれくらい起業家を支援するサポートが行われているのだろうか。
こうした疑問を明らかにすべく、さまざまな国における起業家の経済的可能性を指摘し、潜在的な起業家の活性化を支援することを総合的な目的として調査が行われてきたのである。2013年は「現在の社会における起業の潜在的な可能性」「起業精神の阻害要因」、2014年は「起業教育」がテーマに取り上げられている。
そして、2015年はさらに調査対象を広げ、世界44ヵ国約5万人という過去最大規模で「起業精神を明らかにすること」にフォーカスし、調査が行われた。
アムウェイのダグ・デヴォス社長は、最近の傾向を「自ら目標を設定する自由と独立を求める人々の欲求はかつてないほど大きくなっている」と見ており、「自分の生活と地域社会の価値が高められるような意義のある仕事を彼らは求めている」と話す。
今回の調査では、多くの起業家が新しいことを学ぶことに前向きで、自らの力で人生を楽しみたいと望んでいることがわかったが、一方で失敗に対する不安や自信の欠如といった課題を抱えていることも明らかになった。
また、この調査によると日本では、起業に対する意識が低く、自分が起業するということになると、さらに関心が下がることが浮き彫りとなった。