コービー、今季限りで引退
〜NBA2015-16シーズン、3つの見どころ

杉浦大介, スポーツコミュニケーションズ

ニックス復活への道

 最後に筆者の地元チームであるニューヨーク・ニックスについても触れておきたい。開幕から19戦を終えた時点で9勝10敗。二流の成績に思えるが、昨季にフランチャイズ史上最悪の大惨敗を喫したチームとしては大きな進歩である。

 特にスタートの14戦中10戦は去年のプレーオフ出場チームが相手だった。この時点までで大崩れすると予想する声も少なくなかったことを考えれば、現時点で勝率5割前後の位置にいることは決して悪くない。

 この向上の立役者となっているのが、ラトビア人ルーキーのクリスタップス・ポルジンギスである。

(NYの新センセーション、ポルジンギスは低迷フランチャイズの救世主になれるか Photo By Gemini Keez)

 ここまで平均13.8得点、9.3リバウンド、2.0ブロックという好成績で、11月の月間最優秀新人に選出。ドラフト指名時には「本格化まで2、3年はかかる」と言われたポルジンギスだが、早くもニックスにとってなくてはならない存在になった感がある。

 大型新人をニューヨーカーも熱狂的にサポートしている。17日のホーネッツ戦で29得点、11リバウンドと大暴れした際には、ゲーム中に“ポル・ジン・ギス!”の大コールが沸き起こった。

 試合直後には背番号6のジャージーが売り切れ状態となり、ポルジンギスの公式ツイッターは短期間で15000ものフォロワーを増やしたという。

「彼はいずれ殿堂入りする選手になるかもしれない」

 元NBA選手で、現在は解説者を務めるグレッグ・アンソニーは12月2日にNBA TVに出演した際にそう語っていた。まだまだアップダウンはあるはずで、そんなコメントはやや時期尚早にも思える。かつてのジェレミー・リン同様、メディアの中枢地であるニューヨークから台頭した選手だけに、騒ぎが大きくなっている面もあるのだろう。

 ただ……ダーク・ノウィツキーと比較されることが多い万能派ビッグマンに、それだけの魅力があるのも事実である。いかに向上したとはいえ、ニックスはまだプレーオフで上位進出が狙えるレベルのチームではない。それでも、リーグ屈指の名門に楽しみな選手が加わり、少なくとも見る価値のあるチームになったことを喜んでいるNBAファンは多いはずだ。 

杉浦大介(すぎうら だいすけ)プロフィール>
東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、NFL、ボクシングを 中心に精力的に取材活動を行う。『スラッガー』『ダンクシュート』『アメリカンフットボールマガジン』『ボクシングマガジン』『日本経済新聞』など多数の 媒体に記事、コラムを寄稿している。著書に『MLBに挑んだ7人のサムライ』(サンクチュアリ出版)『日本人投手黄金時代 メジャーリーグにおける真の評価』(KKベストセラーズ)。
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