プレミア12韓国戦、敗因は「継投ミス」ではなかった!〜日本野球が抱えるもっと深刻な課題

野球日本代表に「ジャパン・ウェイ」はあるか
上田哲之, スポーツコミュニケーションズ

 次に正捕手は誰なのか。これまでは、嶋だった。2年後も嶋ですか? あるいは、今回のメンバーでは中村悠平ですか? どちらも、ちがうんじゃないかなぁ。

 三つ目に、クローザーは誰なのか。現在、日本球界には、かつての佐々木や岩瀬仁紀のような、絶対的なクローザーはいない。今回、その不安はモロに露呈した。だけど、あと2年で育てなければならない。

 小久保監督以下、日本代表の首脳陣にそのビジョンはあるのだろうか。プレミア12では、その片鱗はうかがえなかったと言わざるを得ない(少なくとも、松井は本質的に先発投手だと思う。もし仮に、将来の日本代表クローザーを構想して、彼に国際大会の修羅場を経験させるためにあの無死満塁で起用したのだとしたら、あまり意味がないと私は思います)。

 どうやら日本代表プロジェクトは、かのラグビー日本代表のようには、進捗していないようなのだ。

個人ではなくチームにスポットライトを

 先日、今年の新語・流行語大賞に「トリプルスリー」が選ばれた、というニュースがあった。山田哲人、柳田悠岐の二人が達成し、たしかに話題になりました。一方で、もっと話題になったと思われる、例の「五郎丸ポーズ」は選ばれなかった。

 五郎丸歩は、<チームの活躍ではなく(五郎丸ポーズなど)個人にスポットライトが当たることについて「違和感がある。“ジャパンウェー”という言葉が入ってほしい」とコメントして>(スポーツニッポン12月2日付)いるそうだ。

 これは、正論だ。ラグビー日本代表が掲げてみせた「ジャパン・ウェイ」こそ、今年の流行語大賞にふさわしい。

 なぜなら、この言葉にはたんにラグビーだけにとどまらない普遍性があるからだ。

 たとえば野球の日本代表も、世界で勝つためには、自分たちの「ジャパン・ウェイ」を掲げるべきである。

 メジャーリーグや、キューバや韓国に勝つための「ジャパン・ウェイ」とは何か。

 とりあえず単純化して答えれば、よく言われる「細かい野球」ということになるのだろう。

 象徴的な一例をあげれば、韓国戦の9回表、無死一、二塁になったときに、宮本さんが指摘されるように、長打を警戒して三塁線を締める。そういう野球である。誰もが160キロの速球を投げて、誰もがホームランをポカスカ打つ野球ではないのだから。