プレミア12韓国戦、敗因は「継投ミス」ではなかった!〜日本野球が抱えるもっと深刻な課題

野球日本代表に「ジャパン・ウェイ」はあるか
上田哲之, スポーツコミュニケーションズ

 まず、よく言われるのが、あれだけ好投していた大谷をなぜ7回で降板させたのか、ということ。たしかに、球数はまだ85球だった。

 でも、大谷の投手生命にとって、この試合がすべてではない。彼には来季以降の未来がある。プレミア12がシーズン終了後の試合であることを考えれば、7回85球での降板は妥当な判断だと思う(この試合さえ勝てば彼の投手人生すべてが終わるのであれば、9回まで行けばいいけれども)。

 では、3点差で勝ちきれるリリーフ投手は誰か。各チームのクローザーが集まった日本代表だが、実はここまで、それぞれに不安定だった。その中では、第二先発(中継ぎ)を任された則本の安定感はきわだっていた。

 だから、8回から則本という選択も妥当だと思う。そして9回、常識ならばクローザーの誰かを起用すべきだろう。だが、彼らの準々決勝までの出来と則本の8回の状態を見れば、続投もまた、まちがった判断ではない。

 つまり、則本続投までの継投にミスがあったとは思わない。あのよもやの死球の判定で、則本にツキがなかったのだ。むしろ、あの大逆転劇は、継投とは別の問題を示唆しているといいたい。

大逆転劇を招いた理由

 今回もまた、宮本慎也さんの評論を参照しながら論を進める。宮本さんはこう書いた。

<逆転された9回表の守りは、疑問だらけだった。まず直球にタイミングが合っていなかった先頭打者と次打者にチェンジアップを打たれ、ピンチを招いた>(日刊スポーツ11月20日付、以下同)

 このことは、実はテレビ中継でも解説者の衣笠祥雄さんが指摘していた。1番鄭根宇のタイムリー2塁打が出たときのこと。「みんな同じ球種を打たれている」と、嶋基宏捕手のリードに疑問を呈している。

 たしかにこの回、則本のチェンジアップは落ちが悪いように見えた。

 ただし、大逆転の決定的な要因となった李容圭の死球の打席では、4球ともすべてストレートである。1-2と追い込んだあとの4球目は、嶋はまず、外角低目に落ちるボールを要求する構えを見せて陽動し、則本が投球動作に入ってからインハイに構え直している。

 もちろん何を言っても、すべては結果論なのだが、ストレートを4球続ける必要はあったのだろうか。チェンジアップを打たれたからストレート、という発想にも見える。

 ちなみに、押し出しになってしまった松井の5球は、5球ともすべて外角のストレートである(最近の松井は、ストレートとチェンジアップが中心のようだが、やはり、あの地に突き刺さるようなスライダーも見たいですよね)。