「長野の小さな食堂」が7000万円脱税〜真面目と評判の夫婦がなぜ?

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「もし本当に自分の名義預金があったことを知らなかったのだとすれば、修正申告に応じて重加算税を含めて納税すればいい事案です。しかし、国税局は悪質性があると判断し、告発に踏み切ったのでしょう。量刑は懲役1年半、執行猶予3年、罰金が4500万円といったところでしょうか。ただ、相続で7000万円の脱税というのは微妙な金額です。東京国税局ならば告発せず、修正申告だけで終わらせた可能性もあります。

今年、相続税の控除額が引き下げられ、多くの中流家庭でも納税義務が生じるようになりました。今回の事案は、当局が社会に対し『ちゃんと見張っているぞ』とシグナルを出すために仕掛けた『一罰百戒』的なものではないかと思います」

今後、マイナンバー制度が整備されていけば、国民の銀行口座の動きは今よりも格段に国税当局に把握されやすくなる。本人が知らない、または忘れていた口座まで当局に察知されるのだ。

親が良かれと思って子供や孫名義で貯金をしてくれていた場合、誰もがある日、徴税権力=国税局から「脱税」で告発される可能性がある。長野の小さな食堂の話は、決して他人事ではない。

「週刊現代」2015年12月12日より