「長野の小さな食堂」が7000万円脱税〜真面目と評判の夫婦がなぜ?

週刊現代 プロフィール

税務署が怪しいと睨めば、管轄の国税局査察部に通報し、査察部が再度精査。彼らが悪質だと判断した場合は検察に告発する。調査を終えるまでに3年程度かかることはザラだ。今回のケースでは妻の母親が健在なうちから、税務署が子や孫の銀行口座をリストアップしていた可能性が高い。

「個人商店や自営業者の場合、日頃から少額の売り上げ隠しをしていたり、あらゆる生活費を経費で落としたりといった『行き過ぎた節税』をしているケースが非常に多い。当然、国税はサラリーマンよりも自営業者に対して厳しく監視の目を向けるんです」(国税OB)

国税は突然、やって来る

では、水原夫妻には脱税をする意図はあったのだろうか。両人は本誌の取材にこう話した。

「悪意があってしたことではありませんでした。(国税局に)指摘されるまで、自分たち名義の通帳があることも知りませんでした。税金の知識がなかったために世間の皆様をお騒がせして、ご迷惑をおかけしたことを反省しています。いまは税理士さんや弁護士さんから何も語るなと言われていますので、これで失礼いたします」

前出とは別の親族は、水原夫妻を擁護する。

「新聞に出てから、邦雄さんから身内に対して『新聞に出ていることは事実ですので、悪いことを言う人や店に来てくれなくなった人もいますが、僕は頑張って仕事をするだけです。お得意様がいる限り、店は開け続けていきます』と説明がありました。本当に悪知恵なんて働く人間ではないですよ。だったら、専門家に頼んでいますよ。

夫婦はとにかく大変なことをしてしまったと落ち込んでいます。それでも店を開けているんです。そんな苦労しなくても生活していけるのに。でも、遊んでこなかったから、遊び方も知らないんですよ。国は弱い者、知識のない者を虐めて何がうれしいんでしょうか」

たしかに水原夫妻は結果的に相続税を逃れたかもしれない。だが、指摘を受けて修正申告し、納税を済ませたという。税務署長の経験がある税理士は、水原さんはスケープゴートにされたのではないかと指摘する。