丸山ゴンザレスがセブ島「墓場のスラム街」を歩く!~『クレイジージャーニー』裏日記③

丸山 ゴンザレス プロフィール

「私の父は日本人」

「ん? ああ、イエス。アイム・ジャパニーズ」

私を見ながら嬉しそうに微笑む少女がいた。

年の頃は10歳に満たないのはひと目でわかる。そんな子が英語で話しかけてくれたことだけでも驚きなのに、日本人だと思ってくれたことが妙に嬉しかった。

「君の英語はすごく上手だね」
「うふふ。ありがとう」

微笑ましいやり取りにこちらの顔も緩む。だが、次の言葉に私は固まった。

「私のお父さん、日本人」
「あ……」
「お姉さんが日本で働いてる」

これですべてを察することができただけに、それ以上は返すことができなかった。それどころか彼女に顔色の変化を悟らせないようにするのが精一杯だった。

フィリピンでは、スラムエリアから美貌だけを武器にのし上がり外国人と結婚することは、ひとつのゴールとされている。彼女は、幼心にそれが正しいことだと疑っていない。あとはみなまで説明せずともわかるだろう。

幸せな結末になるのであれば、それは決して悪いこととは思わない。それでも、複雑な思いが去来する。

「君は将来、美人になるよ」

そう言って彼女と別れ、次の目的地となる「墓場のスラム」へと向かった。

(来週公開予定の後編へ続く