「どうしてママを棄てたの?」
母の過剰な干渉から逃げきれなかった、ある女の告白Ⅱ

自分が誰だかわからない

「わたしはいったい誰なんだろう?」

そう、わたしは自分が誰なのか、よくわからなかった。

そして、自分のなかのその空洞に耐えきれず、ついに40歳を過ぎた頃、その問いに向き合い、その答えを見つけ出すことにした。

わたしは、むさぼるように小説や哲学書を読んだ。だが自分が誰なのか、わからない。なぜわからないのか、それさえもわからなかった。

自分が誰だかわからない理由

自分という人間を探し始めて2年が過ぎても、わたしにはまだ、自分が誰なのかわからなかった。これほどいろいろな本を読んでもわからないのであれば、探す方法が間違っているのかもしれない。もっと別のところに、自分の求める答えがあるに違いない。

そしてある時、自分が誰かわからないのは、自分と母親との関係に原因があるのではないかと思った。

【関連書籍】『毒になる母ー自己愛マザーに苦しむ子供』キャリル・マクブライド著

本当の自分が、母親という人間に呑み込まれてしまっているからではないか。

自分という人間が、母親と同化してしまっているからではないか。

つまり、わたしは母を憎みながら、母を求め、母に気に入られ、母に褒められるように考え、行動しているからではないか。

自分の基準が自分自身にあるのではなく、母にあるからこそ、自分という存在が確かめられず、自分のなかに空洞を感じるのではないか、と。

もしそうであれば、自分と母との関係について、今一度、徹底的に考えてみなければならない。そうすれば、失われた自分自身を探し出せるかもしれない。

自分を取り戻したい。今からでも自分という人間を見つけ出し、本当の人生を生きていきたい。わたしの生き残りがかかっていた。そしてその時、これが自分にとって、本当の自分を取り戻す最後のチャンスのように思えたのである。

「母はわたしを愛さなかった」
その事実を受け入れ過去を手放した、ある女の告白Ⅲ