知っておきたい子育ての鉄則
〜いつか「私の不幸はお母さんのせいだ!」と言われないために

キャリル・マクブライド

正反対に行動する危険性

母親のようになりたくない一心で、正反対に行動する娘は多い。だがそうすることで、結局は、あなたが必死で避けようとしている力学をつくりだしてしまう危険性が高い。

それを防ぐカギは「中間地帯」にある。中間地帯が見つけだせれば、あなた自身の価値観にもとづいた、愛情あふれる母親になることができる。

人はなにかを変えるとき、白か黒かで考えやすい。たとえば、あなたがかんしゃくを起こし、人につっかかる態度を改めようとして、控えめで意見をはっきり言わない態度をとろうとする。だが、怒りを爆発させる前は感情を押しこめた状態で、控えめで意見を言わない態度も感情を押しこめた状態だ。あなたが目指すべきは、「両極端の中間地帯」に立って、かつ意見をはっきり表明することだが、それがなかなかむずかしい。

「白と黒の中間地帯」は、あなた自身の価値観や考え方が基本になければならないが、じっさいはあなたの母親の考えもふくまれてしまう。たとえば、あなたは母親と同じく教育の重要性を強く信じている。けれど、母親とちがってわが子の気持ちも尊重したい。そのため母親の価値観や考えを引きずったまま、正反対の行動をとってしまう。

例をあげよう。あなたの自己愛マザーは子どもを呑みこむ母親だった。そこで、あなたは子どもを窒息させる母親にだけはなるまいと誓い、正反対の態度をとる。すると、あなたの子どもは自分が無視され、大切にされていないと感じる。

あるいは、あなたの自己愛マザーが無視する母親だったとき、あなたはわが子にかまいすぎて呑みこむ母親になってしまう。

ほめ方もむずかしい。ほめられず励まされずに育った自己愛マザーの娘は、わが子を大げさにほめちぎることがある。

◆厳格な母親に育てられたマレーネは、境界も制限も設けずにわが子を甘やかし、子どもは自分を律することを覚えずに育った。「子どもには完全な自由を与えた。でも、ふたりの娘は警察のお世話になり、事故まで起こした。放任しすぎだったわ」

こういったさじ加減はむずかしい。親業の正解はひとつではない。完璧な人間もいない。けれど、正反対の方法を選択して育て方をまちがえることは簡単なのだ。

自己愛マザーのメッセージを体現してしまう

「呑みこむ母親」と「無視する母親」の中間地帯が見つけられ、わが子とのつきあいにうまく反映できたなら、あなたはおおいに自分をほめるべきだろう。けれど中間地帯を見つけるとき、「自分はまだまだ充分ではない」というメッセージが落とし穴になることがある。あなたがそのメッセージを内面化する場合、あなたはわが子の前で、そのメッセージ通りに行動している可能性が高い。

自分が価値のない人間だという考えを、行動を通してうっかり子どもに示し、メッセージのお手本になってしまえば、子どもは同じように感じて育っていく。あなたがそのメッセージを頭では信じていなくても、また口には出さなくても、子どもはやはりそれを感じとる。忘れないでほしい。「子どもは耳にしたこと以上に、目で見たものから学ぶ」ということを。