「日本の格闘技ブームがなぜ廃れたか、その理由を教えよう」
ヒクソン・グレイシー独占インタビュー!

岡田 真理

現在の主流は、短い時間のラウンド制とポイントシステム。1ラウンドの時間が短ければ、スタミナが切れた頃にはゴングが鳴るため、選手たちはテクニックを磨かなくなり、勢いだけで相手を倒すことができる。

また、ポイントシステムがあることによって、選手たちは「ポイントを取れば攻めに行かなくても勝てる」という考えに陥りやすくなるのだ、とヒクソンは語る。

それにより、選手たちはアグレッシブに攻めなくなり、“勝つため”ではなく“負けないため”の消極的な試合をするようになってしまった。そのため、最近の選手は『ポイントを取られないように』という姿勢で戦っているように見えます。自分から攻撃を仕掛けず、安全に勝ちに徹する。これはまさに、武士道精神の喪失と言えるのです。

これは試合ではない。「戦」だ。

RIZINは1ラウンド目を10分と長く設定し、ポイント制もなし。長いラウンドになると、選手たちは瞬発力や勢いだけに頼ることはできなくなり、実力や技術での勝負となる。また、ラウンドが終わるまで体力を維持し続けるための戦略も必要になる。

PRIDEおよび今回のRIZINルールは、選手がアグレッシブにならざるを得ない状況を作り出すルールです。選手たちはしっかりと戦略を立てて、魂を持って臨まなくては、相手に勝つことはできません。それは単なる“試合”ではなく、まさに“戦”そのもの。

もともとバーリトゥード(「なんでもあり」の意味で、総合格闘技の代名詞)のコンセプトは、二人の戦士がリングに上がり、完全決着で一人が生き残るというもの。そこに存在する武士道精神が、今回のルールで復活することを私は大いに期待しているのです。

また、RIZINではほかの多くの格闘技イベントで使用されている金網のリングではなく、ロープを使ったリングを使用する。ヒクソンは、それについても高く評価している。

金網の場合、相手を金網に追い込んで動けなくした状態で攻撃したり、逆に金網を利用して立ち上がるなど、不利な状況から逃れたりするケースも出てくる。でも、ロープのリングであればそれはできない。すべて実力と技術でクリアしなければなりません。