信長は最強の「フランチャイズ経営者」だった!〜戦国時代のベンチャーマインド②

コルクCEO・佐渡島庸平 × 作家・木下昌輝 『決戦! 本能寺』出版記念対談
木下昌輝, 佐渡島庸平

戦国時代のソーシャルメディア

佐渡島 先ほどのフランチャイズ経営にも共通するんですが、組織を大きくする時、当時で言うと婚姻関係が大事じゃないですか。今、そういうことはないけれども、僕やまわりの会社では、友達の友達など、ゆるやかな人間関係から信頼できる人を仲間に入れるっていうのが多いんです。

ベンチャー企業が人を採用する際も必ずと言っていいほどFacebookやTwitterをチェックするのも、同じ理屈ですね。

木下 履歴書を見るよりも、だれと友達かを調べる方が、その人の本質がわかるということですか。

佐渡島 自分の人間関係が可視化されていることの価値に対して、どのくらい意識的かは、今後の自分の人生を変えていくでしょうね。

木下 その意味で戦国時代のFacebookは、名前の文字を与えるということかも知れません。信長の信の字をもらえるっていうことは、それは信長が信用保証しているのと同じなんですよ。

佐渡島 組織が大きくなる過程では必ず助けてくれる人や会社がいるもので、あるベンチャー経営者がお世話になった会社の名前を自社名に加えたいと、よく言っているのですが、感謝を可視化するということは今も昔も同じなんですね。

佐渡島庸平(さどしま・ようへい)
2002年に講談社に入社し、週刊モーニング編集部に所属。『バガボンド』(井上雄彦)、『ドラゴン桜』(三田紀房)、『働きマン』(安野モヨコ)、『宇宙兄弟』(小山宙哉)、『モダンタイムス』(伊坂幸太郎)、『16歳の教科書』などの編集を担当する。2012年に講談社を退社し、作家のエージェント会社、コルクを設立。12月11日に初の著書『ぼくらの仮設が世界をつくる』がダイヤモンド社より発売。コルク・佐渡島庸平のブログ:http://sadycork.tumblr.com  ツイッターアカウント:@sadycork
木下昌輝(きのした・まさき)
1974年奈良県生まれ。近畿大学理工学部建築学科卒業。ハウスメーカーに約5年勤務後、フリーライターとして関西を中心に活動。2012年「宇喜多の捨て嫁」で第92回オール讀物新人賞を受賞する。受賞短篇を含むデビュー作『宇喜多の捨て嫁』が第152回直木賞候補となり、2015年、同作で第2回高校生直木賞を受賞。

より強い個性がある人間のビジョンが生き残る

佐渡島 経営をしていると、経営者が明治維新を好きな理由がすごくよくわかるんですよ。

木下 ソフトバンクの孫さんをはじめとして、みんなすごく好きですね。

佐渡島 ものがヒットしはじめるのは全体の15%とか18%が気づいたタイミングっていうじゃないですか。歴史も同じで幕末に江戸幕府を潰すべきだと考えるのはせいぜい10%で、そのうち実際に行動を起こすのは更に1%程度。

だとすると維新の志士たちもかなり孤独に動いているんですよ。この孤独のなかでお互いに連携を取ることでビジョンを描きながら実行しているところが、ベンチャーを起こす時とすごく似ていて、共感するんじゃないかと。

木下 将来的に伸びそうだという人がいて、スタッフに欲しいけれど、そのうちビジョンの面で意見が別れそうだなと感じたらどうしますか?

佐渡島 僕は引き込みますね。どっちが強烈な個性かで人間変わりますから。

木下 教育と言うか、自分の影響で変えられる自信があるんですね(笑)。