炭水化物抜きダイエットはやっぱりキケン!? 虚実入り混じる「食」の情報、その真偽をただす

【前書き公開】『食をめぐるほんとうの話』
阿部尚樹, 上原万里子, 中沢彰吾

「高級な大吟醸酒に添加物」のふしぎ

ある有名グルメ漫画では、日本酒のあるべき姿について次のように論じています

〈日本酒は本来、米と米麹と水だけで造られるべきものである。しかるに、日本の大手酒造メーカーは、添加物を大量に加えている。醸造用アルコール、醸造用糖類、酸味料、化学調味料等々。こうした添加物は安価であり、本来の日本酒に加えれば製造コストを大幅に下げられる。

だが、そうして造られた酒はべちゃべちゃして妙に甘っとろいだけで、日本酒本来の深みのある味わいがなくまったく美味しくない。でも酒造メーカーは、原料の量が同じなのに三倍の量の酒が造れてボロ儲けできる美味しい商売を覚えた結果、まともな日本酒を造ろうとはしなくなった〉

酒店の店頭で見ると、日本酒の中で純米酒の割合は非常に少なく、全体の1割もありません。これは本当にメーカーが〝ボロ儲け〟のために、血眼になって日本酒に混ぜ物を入れているためなのでしょうか。

確かに2リットルの紙パックに入った安い価格の日本酒の成分表を見ると、醸造用アルコールに醸造用糖類、酸味料など数種類の添加物が表示されています。混ぜ物ばかりだから価格が安いといわれれば、そうかなとも思えます。

ところが、実にふしぎなことがあるのです。

いわゆる大吟醸、吟醸とは、酒の仕込みに使う米を深く精米して不純物や雑味を極限までなくし、特別に手間をかけて造った高級な日本酒です。酒店では一番目立つ場所に、うやうやしく半透明の包装紙で包まれたビン入りで販売されています。高価な日本酒ですから、冒頭にご紹介した漫画のポリシーに従うなら当然、純米酒であるはず。

ところがさにあらず。醸造用アルコールが添加されているものが多いのです。白鶴大吟醸、菊正宗大吟醸、月桂冠大吟醸、久保田、越乃寒梅、八海山、吉乃川、黒松剣菱……有名銘柄の高級酒の多くが、醸造用アルコール添加。なぜわざわざ、それらを混ぜるのでしょうか? 純米酒のままで、純米酒を「売り」にしたほうが、より消費者の人気が高まるはずなのに……。

酒蔵は大吟醸という高価格の酒にまで安い添加物を加え、消費者をだましているのか? いや、何も消費者をだましているわけではありません。ラベルには堂々と醸造用アルコールを加えたと書いてあります。添加物を加えるのは、単にそれが安いからなのでしょうか?

この問題について酒造会社が発言したことはなく、悪口をいわれっぱなしのままです。一向に実態がみえてきません。はたして真実は?