[野球]
白戸太朗「褒めることだけが解説!?」

スポーツコミュニケーションズ

“スパイスコメント”に期待

 確かに彼は言い過ぎの面もあったが、選手を持ち上げたり、褒めたりするだけの解説と違って、見る目を養ってくれたと思っている。そんな彼だからこそ、言えることもあったはずだし、個人的には解説陣に残って欲しかった。そもそも解説というのは、人によって違うのが当然で、いろいろな角度のコメントが聞ける方が視聴者にとって有意義だと思う。同じ戦略でも見方を変えると真逆の理解だってできるはず。だから解説者は多様なタイプがいるべきだと思うし、それこそが視聴者側のサイクルロードレースへの興味を深めてくれるのではないか。そんなことを考えながら実況をしていたのを思い出した。

 野球の解説者もいろいろなキャラクターがあってもいい。出身ポジションやチームによっても考え方、見方は異なるし、その人の経験や性格からも違いは生まれる。そんなバリエーションに富んだ評論こそが楽いし、見識も広げられるはずだ。古田氏が正しいとか正しくないではなく、そんな視点もあるのだと教えてくれているのだと思う。ややもすると、ゆるい言葉だけが流れるスポーツ中継が多い中、辛口であっても的確な分析を入れてくれる解説者が必要なのではないか。

 もちろん、不特定多数の方が視聴するものなので、言葉は選ぶ必要はある。また批判的なコメントばかりでは、聞いているほうも嫌になる。公に喋る立場を理解した上で、多少批判的なコメントが入るのは、むしろスパイスとなるのではないかと思うのだが……。古田氏には、これからもスパイスの効いたコメントを期待したい。

<白戸太朗(しらと・たろう)プロフィール>
 スポーツナビゲーター&プロトライアスリート。日本人として最初にトライアスロンワールドカップを転戦し、その後はアイアンマン(ロングディスタンス) へ転向、息の長い活動を続ける。近年はアドベンチャーレースへも積極的に参加、世界中を転戦していた。スカイパーフェクTV(J Sports)のレギュラーキャスターをつとめるなど、スポーツを多角的に説くナビゲータとして活躍中。08年11月、トライアスロンを国内に普及、発展 させていくための新会社「株式会社アスロニア」の代表取締役に就任。13年1月に石田淳氏との共著で『挫けない力 逆境に負けないセルフマネジメント術』 (清流出版)を出版。
>>白戸太朗オフィシャルサイト
>>株式会社アスロニア ホームページ