本日上場!日本郵政グループ3社の企業価値を徹底分析する

田中 博文 プロフィール

必ずしも格安とは言えないゆうちょ銀行

2.企業価値評価(バリュエーション)

それでは、企業価値評価を見てみましょう。

まず、ゆうちょ銀行からです。ゆうちょ銀行は、前回のエントリー(日本郵政、上場前に知っておきたい「儲けの構造」と「リスク」)で書いたように、収益のほとんどを有価証券運用で行っており、融資業務の収益がありませんが、業態としてはやはりメガバンクとの比較になります。

通常の企業価値評価はPER(株価収益率/一株当たりの利益額)で行うことが多いのですが、銀行は資産(融資 / ゆうちょ銀行の場合は有価証券)の運用で収益を上げるビジネスなので、比較指標はPBR(株価純資産倍率 / 一株当たりの純資産額)が望ましいでしょう。

表①はゆうちょ銀行の時価総額ですが、三井住友、みずほと肩を並べる水準となります。

表①

表②はPBRです。メガバンク自体も0.7倍台と純資産よりも割安に評価されていますが、ゆうちょ銀行は更に安く、0.47倍となっています。

表②

これは表③のROEで見るとゆうちょ銀行の3.2%という低さからくるものと考えており、投資家として「投下した資本に対し、企業がどれだけの利潤を上げられるのか」という問いには、まだまだ課題があることを示しています。そういった意味では、決して割安とは言い切れない状況かと考えています。

表③

一方で配当利回りは3.5%ですが、3%台の配当利回りは他の銘柄にもたくさんあるわけですし、配当性向が55%とメガバンクの2倍近くであることを勘案すると、なんとかしてゆうちょ銀行の人気を維持していきたいという意図が見えてきますね。