ビジネスパーソン必読!佐々木常夫が説く「手紙」の効用

あなたの「人間力」を伝える最強の武器になる
佐々木 常夫

 メールは感情を乗せにくい

手紙は相手に重みを感じさせるだけに、あまり軽い気持ちで出すと、思わぬ波紋を呼ぶこともあるので注意が必要です。私は部下から手紙も来ていないのに、自分からアドバイスのような手紙を出すのは、少し差し出がましいかな、と思います。

実は親しい人を除けば、相手から年賀状が来るまで私から出すことはありません。相手から年賀状が来てその返事から毎年のやりとりが始まるのです。年賀状一つにしても相手に負担になるのではないか、と考えてしまうのです。

ところが、会社にいた時、私の上司は席まで私を呼びつけて「なんで君は俺に年賀状をくれないんだ」と言うのです。「おお、すごいなこの人は」と内心思いましたが、そんなことは顔に出さず「ご迷惑ではないですか?」と返しました。

すると彼は「俺の部下で年賀状が来ないのは、君と〇〇の二人だけだ!」と言うのです。「ああ、この人は部下は年賀状を出すのが当たり前と思っている人なんだ」と思い、それからは出すようにして、今もやりとりは続いています。

執筆活動をするようになって、たくさんの出版のご依頼をいただきます。テーマに興味があり、よく練られた内容のオファーに応じるようにしていますが、もし、テーマ・内容に差がなければ、手紙とメールで依頼されたもののうち、どちらを選ぶかと問われれば、私なら一も二もなく手紙での依頼を選ぶでしょう。

手紙は手書きの文字から、その熱意を感じ取ることができます。下書きをしたことや清書に時間がかかったことなど、見ればいろいろな思いが伝わってくるのです。

逆にメールは感情を乗せにくいツールです。たとえば、私はオフィシャルサイトを持っていて、私へのご依頼の窓口を作っています。だから、テーマや内容さえ良ければ、手紙でなくても一向に構いません。

しかし、それでもなお、手紙を受け取ったときに感じるものはある。それはもう理屈ではありません。それに手紙には熱意があるとお話ししましたが、熱意のある人は必ず内容も伴っています。考えてみれば、これまでの多くの私の著作の始まりは手紙での依頼でした。

これはあらゆる仕事に通じるアプローチのノウハウです。TPOをわきまえて上手に活用してください。