『アンパンマン』に込められた作者の想いは何だったのか?~45年来の愛弟子が綴る、恩師やなせたかしの業績と素顔

小手鞠るい『優しいライオン』
小手鞠 るい

あきらめるのは1秒でできる。簡単にあきらめちゃ駄目

ところが、である。

それから10年以上が過ぎたある日、『優しいライオンーやなせたかし先生からの贈り物』を書き始めた私は「うわぁ、当たってる!」と、叫んでしまった。

やなせ先生は、1919年2月6日生まれの水瓶座だったのである。

確かに先生は、私の守護神だった。
確かに先生は、私の強力な味方だった。
八方ふさがり、人生どん詰まりの状態にあった私に「あきらめてはいけない」と、常に励ましの言葉を贈りつづけて下さった。

「好きなことなら、絶対にあきらめてはいけない。あきらめるのは1秒でできる。簡単にあきらめちゃ駄目だよ」と。

中学生時代に先生の詩に出会って、物書きになりたいと思うようになり、先生が30年間、編集長を務めた雑誌「詩とメルヘン」に、20代の頃から投稿をつづけていた私は、やなせ先生という大きな豊かな水瓶のなかで泳ぐ、1匹のメダカだった。

小さな生き物に対する愛情。献身の気持ち。無我無欲で人を喜ばせることが、自分を喜ばせてくれるということ。書くことの喜び。書いたものを人に読んでもらえることの幸せ。何もかも、私が先生からいただいた贈り物である。

やなせ先生への尽きせぬ感謝、先生への無限大の敬意をこめて、『優しいライオン』を書いた。

先生からの贈り物が、そのきらめきが、読者のみなさんの手のひらの上に、届きますように。そしてそのきらめきが、喜びよりも悲しみが多く、楽しいことよりも苦しいことの方が多い人生を照らす、灯台の明かりとなりますように、ときには、迷路の出口へと導いてくれる蛍の光となりますように――そんな願いをこめて。

(こでまり・るい 作家)
読書人の雑誌「本」2015年11月号より

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優しいライオン やなせたかし先生からの贈り物
著者=小手鞠るい
税別価格: 1,600円

45年来の愛弟子だった著者が、やなせたかし氏の「愛と献身」の人生を、恩師の名作詩の数々とともに綴った感動作

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