久保利英明 第4回
「総会屋からはよく『こら久保利! ヤクザモンでも着ないような服着やがって!』と罵倒されました」

島地 勝彦 プロフィール

シマジ せっかくの機会です。「久保利方式」をもっと具体的に説明してくれませんか。

久保利 要するに、いままでの株主総会は議案を全部個別に諮っていたんですね。たとえば「第1号議案、事業報告を行います。これについてご質問のある方はどうぞ」という具合に。

次に第2号議案以下にいくわけですが、これは決議事項なので、取締役の選任であったり、あるいは配当金、いまは余剰金の処分と言っていますけど、そういう事項であったりします。ところがその前に第1号の議案で「はい、質問があります!」とわんわんやってくる。それが第3号、4号、5号と続く。

そうするとたった10人しかいなくても、その10人が5回手を挙げて質問すれば50回になる。仮に5人ずつだとしても25回やらなければならない、10人で1人10分ずつ質問されたら、1人50分として、その10倍ですから、途方もない時間がかかってしまうわけです。

その状態をわたしは、「すべて一括で上程します。ご質問や意見があればどうぞなんなりと仰ってください。役員選任でも余剰金処分でも報告事項でも、なんでもいいですから発言してください。ただしいちばん重要だと思うことから仰ってください」とやったんです。

すると仮に10人居ても、1人10分やったって100分で終了します。「全員のご発言が終わりましたからこれで終了させていただきます」と打ち切ってしまう。これがわたしが言い出した一括上程・一括審議方式なんです。

立木 そんなときでも久保利先生は、ピンクの上下のスーツを着て挑むんですか?

久保利 ピンクやグリーンや白や、いろいろ。わたしが弁護士であることは彼らも知っているし、社長の後ろに控えて指導していましたから、よく「こら久保利! ヤクザモンでも着ないような服着やがって!」と罵倒されましたね。

シマジ アッハハハ。それは凄い。

久保利 その程度の嫌がらせはありましたが、実際に刺しにきたとか、鉄砲で撃たれたとか、そういう危険なことはありませんでしたね。ただ、事務所のわたしの席に向かって空気銃を撃たれたことはありました。