[プロ野球]
佐野慈紀「日本シリーズは第3戦がポイント!」

スポーツコミュニケーションズ

 総合力で鷹が優位!

 既に1試合を消化しましたが、ズバリ、日本シリーズの勝敗はソフトバンクが4勝1敗だと予想します。CSを見る限り、チームの状態としては五分五分ですが、総合的な戦力を判断するとソフトバンクが優位に立っているでしょう。ペナントレースとCSを完璧な戦い方で勝ち抜いてきたソフトバンクには、正直言って、つけ入るスキが見当たりません。

 14年ぶりに日本シリーズに進出するヤクルトに対し、ソフトバンクはここ5年で3度目の出場となります。ソフトバンクは現在の主力の多くが、2度(11年、14年)の日本シリーズ制覇を経験している。一方のヤクルトのメンバーの中に2001年の日本シリーズ経験者は1人もいません。その点でもソフトバンクにアドバンテージがあると見ていいでしょう。

 では、ヤクルトがソフトバンクに勝つためにどうすればいいのか。それは変化球を軸に配球を組み立てることです。セ・リーグの投手が、多彩な変化球を持っているのに対し、パ・リーグの投手は直球主体のパワーピッチャーが多い。そのためソフトバンクに限らず、パ・リーグの打者は変化球主体のピッチングに慣れていないとも言えます。初戦で先発したカツオ(石川雅規)のピッチングがソフトバンク打線攻略の大きなヒントを見出せるのではと予想していましたが、4回8安打3失点と打ち崩されてしまいました。短期決戦となる日本シリーズでは、中継ぎも含めて再度、カツオが登板する可能性はあります。そこで技巧派投手のカツオが好投すれば、ヤクルトが流れを持ってくることも十分にあり得ると思いますよ。

 そのほかには両チームの守備力にも注目しています。なぜならば、ヤフオクドームと神宮の2つの球場には「狭い球場」という共通点があるからです。打った投げたも当然大事ですが、狭い球場では、守備力が勝敗を分けます。冒頭でも述べましたが、第3戦を制したチームがソフトバンクかヤクルトかによって、今後のシリーズの流れは大きく変わってくるはずです。戦いの場を神宮球場に移す第3戦に、是非注目してみてください。

佐野慈紀(さの・しげき)
1968年4月30日、愛媛県出身。松山商-近大呉工学部を経て90年、ドラフト3位で近鉄に入団。その後、中日-エルマイラ・パイオニアーズ(米独 立)-ロサンジェルス・ドジャース-メキシコシティ(メキシカンリーグ)-エルマイラ・パイオニアーズ-オリックス・ブルーウェーブと、現役13年間で球 団を渡り歩いた。主にセットアッパーとして活躍、通算353試合に登板、41勝31敗21S、防御率3.80。現在は野球解説者。