日本のノーベル賞受賞者は10年後には激減する! データが示す「暗い未来」

研究への公的支援を根本的に見直せ
髙橋 洋一 プロフィール

GDPと論文数の関係

まだ1980年代はよかった。経済成長しており、科学技術予算もそれなりにあった。

理系の人にはわかると思うが、自然科学はとにかく楽しいのだ。だから、研究といわれても遊びの延長であって、やるのは名誉のためではなく、単に楽しいからという理由が多いだろう。研究する人の多くの不安は、「遊んでいて」食っていけるかどうか、というものだ。

そこで、公的支援が必要になるが、かつての高成長時代であればよかったのだ。

ところが、経済成長しなくなると、じわじわと公的支援が伸びなくなった。そうなると、論文数が出なくなったわけだ。実際、2000年代の各国の研究開発費の増加率と論文数の増加率にはかなりの相関があり、それらは同じ程度といえる。

当然のことながら、各国の公的支援は、各国の経済力に応じている。このため、各国の論文シェアは、かなり各国のGDPシェアで説明できる。

ちなみに、各国のGDPシェアの推移は下図である。

アメリカ、中国、日本のGDPシェアと論文シェアの推移を見ると下図になる。

これを見るかぎり、日本の論文シェアはピークアウトしているので、あと10年もすると、ノーベル賞は激減していくだろう。そのころ、台頭するのが中国だろう。

もっとも、日本もアメリカも、GDPシェアの変化に対する論文シェアの変化は同じようなものだ(これは、上図の傾向線の傾きが同じ)。

しかし、中国は、GDPシェアの変化に対する論文シェアの変化は、日米の4~5倍もある。これは、論文が粗製濫造であることを意味しているかもしれない。そうであれば、中国は研究の質が、日米より劣っているので、それほどノーベル受賞者が増えない可能性も十分にある。