【沿線革命063】“世界一の鉄道”に事件・トラブル多発!?

阿部 等

わずか数十年前まで、鉄道では重大事故が頻発していた

日本の鉄道の最初の死亡事故は、1877(明治10)年10月の東海道線西ノ宮列車正面衝突事故だった。以来、戦前から戦中に鉄道の重大事故は頻繁に起きた。

戦後の昭和20~30年台には100名以上が亡くなる鉄道の重大事故が5件あった。
・1945(昭和20)年8月 八高線列車正面衝突事故105名
・1947(昭和22)年2月 八高線列車脱線転覆事故184名
・1951(昭和26)年4月 桜木町事故106名
・1962(昭和37)年5月 三河島事故160名
・1963(昭和38)年11月 鶴見事故161名

国鉄の事故としてはもっと死者の多いものがあり、1954(昭和29)年9月、青函連絡船の洞爺丸事故で1430名もが亡くなった。宇高連絡船でも、1955(昭和30)年5月の紫雲丸事故で166名が亡くなった。

鉄道は、数々の痛ましい事故を教訓に、ATSやデッドマン装置の導入、車両の難燃化、非常ドアコックの設置等、ハード・ソフト様々な再発防止策を実行し、一歩ずつ安全を高めてきた。鉄道の安全の歴史は事故の歴史とも言え、先輩たちの血と汗と涙の結晶なのだ。

その後40年以上が経過して、2005(平成17)年4月に106名が亡くなる福知山線脱線事故が発生した。もちろん、それに対する再発防止策が全国の鉄道で実行された。

こういった歴史や取り組みを知らないと、鉄道で何かあるたびに、各メディアで「鉄道の安全神話崩壊!」などという見出しが踊ることになる。

関係者の努力の積み重ねにより、今後、内部原因による100名以上が亡くなる鉄道事故が頻発することはないと断言する。

ただし、外部原因による大惨事への備えは今のままでは不十分だ。特に、テロと地震に対してだ。対策は【058】に書き、下図のように週刊SPA!のインタビューでも答えた。

今後の鉄道はテロと地震への備えが重要(週刊SPA! 9月22・29合併号より、著作権保護のため低解像度)クリックにより拡大

関連記事

おすすめの記事