在宅死、病院死。幸せな「最期」を迎えるにはどちらがいい?
~究極の難問。答えを出した人たちに聞いた

週刊現代 プロフィール

「看取ったご家族のお宅にお焼香に伺ったり、四十九日を過ぎてから挨拶に伺うと、『大変だったけれど、家で看取ってよかった』という方がほとんどです。当社団が行ったアンケートでも、96%の人が、『家で看取るという選択をして良かった』と答えています」

「在宅」にこだわりすぎない

「最期は家で」と家族で話し合っていても、現実の介護という問題にぶち当たったとき、老人ホームなどの施設を頼らざるを得ないことも多い。特別養護老人ホーム・芦花ホーム常勤医の石飛幸三氏は言う。

「私たちのようなホームに入居する人の多くは、家族での在宅介護が難しくなって飛び込んでくる人たちです。

いまは核家族化が進んでいるので、家族での介護も夫婦の老老介護や、親子でも一対一の関係が多い。すると、精神的にもどんどん疲弊していく。家族だからこそ長年積もり積もった感情がある。そこから、DV紛いのことが起きているのが実態です。そんな経験を経てホームに入居された人やその家族は、それはホッとした表情をされます」

施設の役割をそう強調しながら、「ただし」と石飛氏が続ける。

「在宅死を望むのは自然な感情です。このホームの方も、入居後しばらくは夕方になると『お家に帰りたい』と口々に言い出す。私は『夕方症候群』と呼んでいます」

老人ホームでは本格的な医療行為はできない。

「入居者の方には、病院に移らず、『自宅は無理でも、ホームで自然な最期を』と望まれる人は多い。

しかし、ホーム入居を決断したご家族ではなく、離れて暮らしていた親族が、『なぜ病院に入れないんだ!』と無理に連れだしてしまうケースもあります。そうしてチューブだらけになった親の姿を見て、心を痛める人も多いんです」(石飛氏)

どんな家族も、大切な人を見送る時には、悩み苦しむ。家族としては、「本人の希望」はもちろん叶えたい。一秒でも長く生きてもらいたいが、治療で苦しむ姿を見るのも辛い。そして、そんな考えすべてが、親への思いではなく、自己満足なのかもしれない……。

簡単には答えは出ない問題。だからこそ、家族を見送った人たちの言葉から、改めて、家族の、そしてあなたの幸せな結末を考えてみて欲しい。

「週刊現代」2015年10月17日号より


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