辺野古基地の建設承認取り消しを発表!
翁長知事は、なぜ「勝ち目のない戦い」に挑むのか

特別リポート
新垣 洋 プロフィール

法的闘争になったら勝ち目はない

翁長氏が埋め立て承認を取り消したことで、県と国は先の見えない法廷闘争に入る。「法廷闘争になったらまず県に勝ち目はない」というのが、記者を含め、地元メディアの記者、弁護士、識者らのほぼ一致した見方である。

であるからこそ、大きな疑問が浮上する。「翁長知事はなぜそこまでして国と闘うのか」ということだ。官邸や防衛省、外務省は、この疑問に対して確たる「回答」をもっていない。

翁長氏は知事就任以来、くりかえし沖縄問題の全体像を政府に伝えてきた。沖縄戦で4人に1人が命を落としたこと。戦後27年間ものあいだ無国籍状態に置かれ、ようやく1972年に祖国復帰を果たしたのに、基地負担が残ったことなどだ。国連演説でも、本当はこうした沖縄問題の「原点」を訴えたかったのだ。

しかしその翁長氏の気持ちを踏みにじるかのように、政府と沖縄県の集中協議の中で、菅官房長官はこう言った。

「私は戦後生まれなので(沖縄の戦後史は)なかなか分からない。19年前の辺野古合意がすべてだ」

勝ち目のない法廷闘争に、なぜ翁長知事は突き進むのか――。この疑問への回答を持たない、持とうともしない政府の姿勢そのものが、複雑な内部事情を抱えながらも、孤独な闘いに突き進む翁長氏の先端を拓いていると記者は考えている。


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