[サッカー]
大野俊三「鹿島&代表、勝利へのこだわりを」

スポーツコミュニケーションズ

ハリルホジッチの色が見たい

 日本代表に目を向けると、9月はカンボジア、カザフスタンとの連戦がありました。埼玉で行われたカンボジア戦は3-0で勝利したものの、厳しい評価を下す声も少なくありませんでした。格下と見られる相手に多くのチャンスを作りながらの課題の決定力不足は解消されていなかったからです。

 それでも僕は、W杯予選はまず勝つことが最優先だと考えます。僅差であっても勝つことが大事。初戦でシンガポールとスコアレスドローを演じたことにより、選手たちもその思いは強かったはず。試合の入りも硬かったように見えました。

 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は就任して半年も経っていない中で、代表監督に与えられる時間は決して多くはありません。監督が標榜するサッカーの実現は、なかなかできることではないでしょう。まずは勝ち点3を取ったことで、チームとしての自信を得ることができたはずです。

 イランでのカザフスタン戦は、6-0と久々のゴールラッシュが見られました。カンボジア戦での勝利により、選手たちも前向きになれたのでないでしょうか。前回の反省点を踏まえ、攻撃にも幅があったように思えます。先制点を挙げるなど、2得点の活躍をしたMF香川真司も、これで吹っ切れたようにも見えました。この快勝でチームとして、さらにまとまれる要因となるでしょう。

 8日のシリア戦は、中立地オマーンで行われます。次のステップは、短期間の中でいかに課題を修正できるか。そして、どのようなかたちでゴールを奪うのか。1つのスタイル、チームとしての意思を出してもらいたい。ハリルホジッチ監督が目指すサッカーを、そこで見せてほしいと思います。

大野俊三(おおの しゅんぞう)プロフィール>
元プロサッカー選手。1965年3月29日生まれ、千葉県船橋市出身。83年に市立習志野高校を卒業後、住友金属工業に入社。92年鹿島アントラーズ設立とともにプロ契約を結び、屈強なディフェンダーとして初期のアントラーズ黄金時代を支えた。京都パープルサンガに移籍したのち、96年末に現役引退。その 後の2年間を同クラブの指導スタッフ、普及スタッフとして過ごす。現在、鹿島ハイツスポーツプラザ(http://kashima-hsp.com/)の 総支配人としてソフト、ハード両面でのスポーツ拠点作りに励む傍ら、サッカー教室やTV解説等で多忙な日々を過ごしている。93年Jリーグベストイレブ ン、 元日本代表。