ラグビー日本代表はなぜ「世界に通用する組織」となったのか~4年後が、いまから楽しみだ

エディー・ジョーンズの緻密な強化計画を振り返る
斉藤 健仁

サモア戦への期待

また、この4月からジョーンズHCは選手たちの自主性を尊んだ。指導は細かく行うも、「試合をするのは選手たち」とリーダー中心にミーティングを重ねた。それが南アフリカ戦の大逆転につながった。

相手が反則を犯した後、「PGを狙え!」というベンチの指示に反し、リーチ主将は「相手のFWも疲れていたし、エディーがPGの選択は任せてくれると言っていたので」と、スクラムを選択したのだ。

キッカーの五郎丸副将も「あそこでPGを狙う選択肢はなかった」と言えば、SO小野も「セーフなオプションではなくてトライということでみんながまとまった。誰もポストの方を指差してしていなかったし。それが積み重ねてきた4年間の結果かなと思います」としみじみと語った。

いずれにせよ、南アフリカ戦の勝利は、ラグビーに対するジョーンズHCの哲学、それに合った戦術、トレーニング、そしてワールドカップに対する緻密な準備が生んだものだ。

決して奇跡でもフロックでもない。大会前までW杯通算13勝1敗だった指揮官の先見の明と、この一戦に4年間懸けてきたハードワークし続けてきた選手たちの努力の賜だった。

9月23日、中3日で戦ったスコットランド戦は、相手が日本代表を分析し弱点を突いたこともあり、10-45で敗れた。肉体的な疲れだけでなく精神的な疲れもあったことは否めない。

10月3日の予選プール3戦目のサモア戦は、チームが掲げる目標である「ベスト8」に進出するためには絶対負けられない戦いである。

南アフリカと同等、いやそれ以上のフィジカルを誇るサモアにも、4年間鍛えてきたフィジカルで大きく負けなければ日本代表は対等に戦うことができるはずだ。また中9日ということでしっかりと分析し、対策も立てることができよう。

スクラムは五分五分。ラインアウトで有利に立ち、後半最後の20分で「世界一」と自負するフィットネスに裏付けられた、得意のランとパスで勝負に持ち込み、再び歓喜をもたらすことができるか。

斉藤健仁(さいとう・けんじ) 1975年生まれ。スポーツライター。ラグビーやサッカーを中心に取材、執筆。ラグビー専門Webマガジン『Rugby  Japan 365(ラグビージャパン365)』の記者も務める。著書に『ラグビーは頭脳が9割』など


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