ラグビー日本代表はなぜ「世界に通用する組織」となったのか~4年後が、いまから楽しみだ

エディー・ジョーンズの緻密な強化計画を振り返る
斉藤 健仁

「学びたい」「より良くなりたい」

ジョーンズHCは、自分よりも知識、経験が豊富な人材がいれば、年齢、国籍に関係なく、教えを請うた。タックル時の体の使い方は、総合格闘家の高阪剛氏を定期的に招聘し、低く強く体を使う動作を体に染み込ませた。メンタルトレーナーも専門家を招聘した。

そして、攻撃の起点となるセットプレーも、就任当初から重点エリアとして強化を続け、2012年5月からは元イングランド代表の主将が、2012年の秋からは元フランス代表がコーチとして指導に関わってきた。

「攻撃ラグビーをするためには、セットプレーの成功率90%が必須」とジョーンズHCが訴えたとおり、南アフリカ戦ではスクラムの成功率は100%、ラインアウトの成功率は92.4%だった。

実際に、南アフリカ戦の後半29分、FB五郎丸歩副将のトライも、最後の逆転となるWTBカーン・ヘスケスのトライも、パスをした選手やトライをした選手ばかり目が行きがちだが、それぞれラインアウト、スクラムが起点だった。だからこそ「全員のトライでした」と小野は胸を張ったのだ。

メンタル面でも、選手たちは大きな成長を遂げた。ジョーンズHCは選手たちの海外挑戦を、積極的に後押しもした。SH田中史朗、HO堀江翔太は自ら道を開き、日本人選手には無理だと思われていた南半球最高峰「スーパーラグビー」への道を開いた。

この4年間で、公式戦にこそ出場できなかった選手もいたが、9人もの日本代表がスーパーラグビーに挑戦した。これまでを考えれば、驚異的な数字だ。

南アフリカの選手と実際にリーグ戦で戦っていた選手もおり、気後れしなかったことも大きい。またスーパーラグビー組は練習への取り組みも変えた。

「選手たちのマインドセットが変わって世界のスタンダードになり、世界レベルの選手も出てきました。トレーニングの80%は学びたい、より良くなりたいという気持ちを持って練習することができています」(ジョーンズHC)