ラグビー日本代表はなぜ「世界に通用する組織」となったのか~4年後が、いまから楽しみだ

エディー・ジョーンズの緻密な強化計画を振り返る
斉藤 健仁

なぜ、攻撃重視なのか

ジョーンズHCは常にW杯を意識しつつ、4月からは初戦の南アフリカ戦をターゲットに取り組んだ。朝5時から始動する「ヘッドスタート」というセッションが象徴するように、選手たちには「ハードワークの文化」「世界一の練習」を課した。

量より質を重視し、1日1時間~1時間半を3回~4回が基本。海外遠征の移動日にもかかわらず、3部練習を敢行した日もあった。あるベテラン選手は、「(今回と比べれば、前回大会時は)全然練習していなかったですね(苦笑)」と振り返るほど。

しかも、ただ闇雲に厳しい練習するだけでなく、ジョーンズHCには哲学があった。それが世界で勝つための攻撃ラグビーと、それを下支えするスクラムとラインアウトのセットプレーの強化だ。

4年前から、オーストラリア時代からの盟友であるジョン・プライヤー氏を招聘し、フィットネス、フィジカルを鍛え上げてきた。

「まず、フィジカル面で互角に戦わなければなりません。それができれば日本代表が得意とするスキルやテンポ、スピードを活用して勝機が得られる」(ジョーンズHC)

なぜ守備ではなく攻撃重視なのか。世界と対等に戦うためには、「体格でどうしても劣ってしまう日本代表は、守り勝つことはできない」という信念があった。

そこで日本独自のラグビーである「JAPAN WAY」を掲げて、パスとランを重視したラグビーを徹底した。スピードとスキルに「ポテンシャルがある」とジョーンズHCが感じたため、攻撃ラインを2重、3重にもして、最低でも相手ディフェンスと1対1の状況を作り、相手のディフェンスを惑わしトライを挙げるラグビーを目指した。

そのための、フィットネス、フィジカル強化、そしてハードトレーニングだった。指揮官の意志は、選手にも浸透していた。大会前、FLリーチ・マイケル主将も「前回大会は世界一のフィットネスと言われていたが、全然通用しませんでした。今大会は違います」と自信をのぞかせていた。