組織の能率を低下させる「言い訳優先人間」との闘い方

野口 悠紀雄 プロフィール

ロングテール戦略を導入できる条件

上で述べたことを逆に言えば、使える資源に限度がない場合には、集中する必要はなくなります。これが本書の第6章で議論される「ロングテール」のケースです。

商店が売れ筋商品に集中しようとするのは、在庫の保有にはコストがかかるからです。出版社が売れ筋の本に集中しようとするのも、印刷などにコストかかるからです。

しかし、ネット販売や電子ブックによってこうしたコストがゼロに近くなってしまえば、集中する必要はなくなります。つまり、「2:8法則は古くなった」ということが言えます。

ただし、この場合には別の問題が発生することに注意が必要です。商品数が非常に多数になってしまうと、消費者が何を選んだらよいのか分からなくなってしまうからです。

したがって、個人が望む商品を探し出せるためのガイドが必要になります。これは、「レコメンデーション」と言われる仕組みです。ネット書店のアマゾンや、ネット動画配信のネットフリックスは、この仕組みを導入しています。このためにロングテール戦略がとれるのです。

結局、つぎのようなことになります。在庫のコストをゼロにできず、しかも多数の商品からのレコメンデーションも導入できない通常の商店では、ロングテール戦略はとれません。2:8法則に従うことが必要です。

言い訳優先人間と闘う

利用可能な資源や時間に制約がある通常の場合についてのアドバイスをもう一度繰り返せば、「全ての可能性に対処するのは、見せかけの安心を与えてくれるだけ。だから、コアに集中すべし」ということです。

試験の準備のように自分一人でやり方を変えられる場合には、是非このアドバイスに従ってやり方を変えてください。