「NY流おもてなし」を伝えたい――受講者数1500人超、“3次元”の料理教室はなぜ人気なのか

ニューヨークを舞台に「挑戦」する日本人――料理家・ひでこコルトン
公文 紫都
空間プロデュースも得意とする

日本に戻ってから料理教室を開きたい生徒のために、認定講座を開始

気がつけば料理教室を始めて、5年が経っていました。

「石の上にも3年と言いますよね。だからまずは何が何でも3年は料理教室を続けるんだ、という気持ちでやってきました。すごく不思議で、強い意思があると体もそれに応えて病気をしないみたいです。UBS時代はよく体調を崩して寝込んでいたのに(笑)。風邪を引いても、料理教室当日にはケロッとしているんだから面白いですよね。

起業と子育てを並行してきましたし、主人も私と同様に個人事業主なので、二人とも収入が安定しない生活はどうなんだろう……という不安もありましたが、幸い子どもが健康だったことと、主人や主人の両親を始め、多くの人に助けてもらいここまで来られました。それに何といっても仕事は生きがいでもありますからね。自分自身が楽しめたのが、今日まで続けて来られた理由だと思います」

料理教室が軌道に乗ってきた現在、コルトンさんが力を入れているのは、「いつか私もニューヨークスタイルの料理教室を開きたい」という生徒のための、認定講座です。

「いわゆる"お免状"というのでしょうか。生徒さんが独り立ちできるよう私がマンツーマンで指導し、合格と認定したら卒業していただく講座です」

カリキュラムは決まっており、現在は月に1~2人のペースで認定講座を受け持っています。「鎌倉野菜を活かしたインターナショナルな料理教室を開きたい」「ビーガンや薬膳料理のクラスをもっと華やかにニューヨークスタイルの料理教室にしたい」など、人によって目的がさまざまなので、まずはそれらをヒアリングした後に、夢の実現に向けてお手伝いをしていくそうです。

それぞれの料理教室では基本的にコルトンさんのレシピを使いテーブルトップも参考にしますが、将来的に受講生独自のレシピで個性を引き出せるようアドバイスし、必要に応じてアレンジを加えていきます。

料理教室で紹介されるメニュー例『Leg of Lamb with Red Wine & Balsamic Vinegar Sauce』

認定講座では、ニューヨークスタイルのおもてなしやテーブルトップ、カクテルの基礎知識を習得してもらうマンツーマン形式の講座に始まり、コルトンさんの料理教室でのアシスタント業務、食材・調理器具の買い出し、ニューヨークトップクラスのフラワースクールやワインスクールなどでのレッスン受講など、さまざまなカリキュラムを経て、実践形式のデモンストレーションで終了となります。デモンストレーションでは、生徒の友人や家族を前に、模擬料理教室を行います。

「ここでは、『前菜にこの食材が入っているからメインで使うのはやめた方がいい』とか、『先生の立ち位置は、ここの方が良いです』とか、実際に料理教室で使えるテクニックを指導しています。あとは、ストーリー性があるかどうかも重視しています。

ニューヨークスタイルのおもてなしに必要なのは、起承転結、つまりストーリーだからです。そのため私の料理教室では必ず季節ごとのテーマカラーを設け、それに沿って進行していきます。なぜこのカラーなのか? そのカラーに沿ってどう料理が進行していくのか? それを今の時期にやる理由は? そのカラーのテーブルトップとフラワーアレンジメントは? これはしっかり生徒さんに伝えていきたいことですね」

将来の夢は、日本とニューヨークにコルトンブランドのコンセプトショップを持つこと

コルトンさんの料理教室は各方面で話題を呼び、現在は、日本でも料理教室を持つほか、米フジテレビ系列の料理コーナーに3年間レギュラー出演したり、日本のオンラインメディアで連載を持ったりと、国内外問わず大変な人気ぶりとなっています。また料理教室のみならず、自身が手がけたイベントのプロデュースや、食器ブランドとして名高い「NORITAKE」のアンバサダーの役割も担うなど、活動の幅もどんどん広がっています。近いうちに、初の著書も発売される予定だとか。

さて、そんなコルトンさんが見つめるこれからの展望とは、どんなものなのでしょうか?