アメリカでは2兆円、日本はまだ500億円。トランクルーム市場を急拡大させられるか? 「Sumally Pocket」の挑戦

Sumally Founder&CEO・山本憲資さんに聞く
佐藤 慶一 プロフィール

「ユーザーの手元からモノをなくすことで生活の質を上げたい」

モノが生産されるだけ、その整理や収納、廃棄が必要になる。特に四季のある日本では規則的に衣替えが発生するが、その際、モノを預けると同時にクリーニングもできるような機能も準備中だ。また、大きくモノが移動する年始年末に向けてAndroid版の開発中をすすめる。そのあとには新学期もあり、さらにモノが移動するだろう。

不動産会社と提携してトランクルームとして活用してもらう。企業の福利厚生制度に組み込んでもらう。活用イメージは広がるばかりだが、モノの移動や日本人の習慣、会社の仕組みと強く結びつけば、季節の変わり目で思い出してもらえるサービスとなる。知名度の獲得は継続的な課題だろう。

4年間運営するSumallyについては、マス層へのリーチとマネタイズ(収益化)がまだまだ課題だという。山本さんは「一般層に大波及していくには、ブレイクスルーがいくつか必要」と語る。マネタイズは広告とマーケットプレイスの手数料の2種類で展開しており、預かるだけで収益を上げるSumally Pocketは収益面でも大きく貢献する可能性がある。将来的にコマースが紐づけば、さらなる収益につながる。

SumallyとSumally Pocketのいちばんの優位性は「データを貯める(ことができる)」点だ。Sumallyではwantとhaveという2種類の現在形のデータを集めていたが、Sumally Pocketでは「過去のhave(もっていた)」のデータを集めることができる。これらのデータでどんなことができるのだろうか。「まだ一部しかできていませんが……」と前置きしながら、山本さんは次のような例を挙げた。

「たとえばナイキでは『FUELBAND』に対するwantとhaveが多く、haveしているユーザーの9割が男性で、ほとんどが30代というデータがあります。そのうえで、彼らがどんなバッグや車に対してwantやhaveをしているのか、品種や車種レベルまで把握することが可能です。

wantとhaveのデータのみでも有意義なレコメンドをおこなうことができますが、Sumally Pocketではこれまでに購入してきたモノ=過去のhaveも集めることができます。SumallyとSumally Pocketの連動によって、レコメンドや広告のターゲティングの精度が上がり、さらに活発なコマースが生まれる可能性があると考えています」

大量のデータを集めて、Sumallyとの連携を強化し、コマースにつなげる。日本では約500億円、ここ5年ほどは毎年10%成長を続けるトランクルーム市場を含む収納マーケットの拡大・奪取に挑むSumallyと寺田倉庫。Sumally Pocketの浸透は、生活の質の向上を意味するのかもしれない。

「ユーザーの手元からモノをなくすことで、生活の質を上げたいと考えています。家のモノを減らすことで、ホテルのようなシンプルな空間で生活を送る――。Sumally Pocketを使えば、必要なものを必要なときに取り出すことができます。そういう生活の質に関する提案でもあるのです。できるだけ早く、数十万箱ほどに届くようなサービスにしたいと思います」


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