[ボクシング]
杉浦大介「“メイウェザー以降”の支配者は誰か」

〜次代を担う4大スター候補たち~
スポーツコミュニケーションズ

14連続KO防衛の破壊者

ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン/ミドル級/33歳/33戦全勝(30KO))

 YouTubeのセンセーションから、米国内屈指の人気選手へ――。カザフスタンのデストロイヤーは、2012年秋のアメリカデヴューから約3年で一気に世界ボクシングの頂点近くにまで上り詰めた。

スーパースターダムの間近にいるゴロフキンは、近未来にビッグファイトを実現させられるか。Photo By Rich Kane/Hoganphotos/K2/GBP

 14連続KO防衛を可能にした破壊力と、拙い英語と笑顔で堂々とスピーチする人間味には分かり易い魅力がある。所属するK2プロモーションの売り出しのうまさも手伝って、ゴロフキンはボクシングマニアの新恋人になった。

 10月17日にマディソン・スクウェア・ガーデンで開催されるデビッド・レミューとの統一戦は、チケット売り上げも絶好調。当日は“東のメッカ”が近年最高の素晴らしい雰囲気に包まれそうである。

 もっとも、ゴロフキンのアメリカでのレガシーはここから先にキャリアをどう操縦していくかにかかってくる。レミューを下した後、カネロ対コット戦の勝者、スーパーミドル級の帝王アンドレ・ウォードと次々と対戦していくのが理想のシナリオ。彼らを連破すれば、来年が終わる頃までに、ゴロフキンは“アンチ・メイウェザー”的な大衆のヒーローとなっていることだろう。

 ただ、これほど危険な選手との早期対戦をカネロ、コット、ウォードが承諾するかどうか。そして、すでに33歳のゴロフキンには衰えの影も遠からず忍び寄ってくる。近いうちに“業界の看板”を引き継ぐことが可能だとして、頂点に立っていられる期間は意外に短くなっても不思議はない。

杉浦大介(すぎうら だいすけ)プロフィール>
東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、NFL、ボクシングを中心に精力的に取材活動を行う。『スラッガー』『ダンクシュート』『アメリカンフットボールマガジン』『ボクシングマガジン』『日本経済新聞』など多数の媒体に記事、コラムを寄稿している。著書に『MLBに挑んだ7人のサムライ』(サンクチュアリ出版)『日本人投手黄金時代 メジャーリーグにおける真の評価』(KKベストセラーズ)。
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