リフォームすれば、マンションの売却価格は上がるのか?

【物件選びの知恵022】
田中 歩

現実は甘くない

リフォームをしないより、リフォームをしたほうが儲かりそうだということが、何となくご理解いただけたとは思いますが、実際には、買い手の価値観変化やニーズをきちんと捉え、それに見合ったリフォームをしないと失敗する可能性があります。

10年ほど前までは、リフォーム済み中古マンション専門会社の数が少なかったのですが、最近は多くの会社がこの事業に参入してきたこともあり、供給が増え、また在庫も徐々に積み上がっており、競争環境は激化しています。

ですから、安易に一般の方がリフォームをしてから自宅を売るというのは避けたほうがよいかもしれません。

プロを使って上手に売る新たな手法

ここまでお読みになられると、「結局、リフォームして高く売ろうなんて、素人が考えてはだめなんですね・・・」とお感じになられると思いますが、専門家を使いながら実現する方法もあります。

世田谷区某所のマンション(築42年)を売ろうとしていた筆者のお客様のお話です。

この方は、複数の大手仲介業者に査定を依頼し売却活動を行っていましたが、室内の老朽化がかなり進んでいました。仲介業者からは、「一般の買主はなかなか現れない」「不動産買い取り業者以外の買手は出てこない」「価格は2500万円程度が上限だ」と言われていたそうです。

筆者の査定では、理論上は現況のままでも3000万円程度で売れると思われましたが、室内の劣化状況からすると、一般ユーザーの購入意欲を掻き立てられる状態にはありませんでした。

室内を少しでも良く見せる工夫として、部分的なリフォーム工事を提案しましたが、このお客様は、リフォーム代金を出す余裕がない状態でしたので、次のような提案を行いました。

(1)リフォーム代金(300万円)はマンションが売れた後のお支払いでかまわない。
(2)リフォーム代金を回収できるような価格で売れなかった場合のリスクは筆者が負担する。
(3)買主が好きなようにリフォームできる余地を大きく残しながらも、見た目を重視した工事を行う。

結果として、この物件は3700万円で売却できました。実質的に3400万円で売れたのと同じ効果です。

このマンションの立地の良さも奏功したと思いますが、プロの力を借りて市場の動向をきちんと分析して、必要なリフォームを行えば、リフォーム代金以上の回収ができる価格で売れる可能性は高いでしょう。

これから中古マンションを購入してリフォームもしくは、売却のためのリフォームをしようとお考えの方に向けて、10/3(土)に、不動産と建物両方の視点からのチェックポイントがわかるイベントを開催いたします。筆者も講師として参加するので、中古マンション+リフォームのお悩みを解消する機会として気軽にチェックしてみてください。

●「中古マンション+リフォーム」を成功させる!物件選び&リフォームのコツhttp://www.sakurajimusyo.com/event/2015/1003