「再発がん」からの生還
【特別インタビュー】なかにし礼

食道がんを克服して3年、再び病魔との闘いに挑む
週刊現代 プロフィール

ところで、肝心の抗がん剤治療についてですが、1回目を実施した後の検査結果を見てみたら、なんと、がんが半分になっていました。「普段はこんなには効かないのだが」と医師たちも驚いていたほどです。

これほど効くのなら、すぐ次をやろうということになり、私の体力の回復を待って2回目の抗がん剤治療に入りました。すると、半分になったがんが、また半分くらいになっている。

抗がん剤をやると、がん細胞に抵抗力が生まれて、逆襲してくることもあるのですが、私の場合にはそれもなく、怖いくらい順調に減っていくのです。

多少症状が持ち直したといっても、医師は楽観していませんでした。

「今度は1ヵ月単位で人生設計を立てるように」と言われました。

とても夏までは持つまい——私自身、覚悟を固めていました。

この頃は、毎晩、女房とハイタッチを交わすのが日課でした。

「今日もよくやった」

その日一日を生き延びた喜びを噛みしめ合う儀式です。そんな毎日を過ごしていました。

生きる意欲が湧いてきた

ところが、3回目の抗がん剤治療でもまたがんが半分になり、4回目の1週間後に検査をしてみたところ、CTでもPET-CTでも、あの「ピンクレッド」に染まったがんは、全く見当たらなくなってしまったのです。

普通なら、これで「よかったよかった」で治療終了となるのかもしれません。しかし、病院の医師は念には念を入れたほうがいいと言ってくれました。

「非常に小さくなったけれど、この場所にがんがあったことは確かです。ずいぶん小さくなったので、今度は陽子線治療をしても、前回の食道がんの治療時に陽子線を浴びたところとオーバーラップする部分がないので、改めて陽子線でがんを叩いておきましょう」ということで、陽子線治療が始まりました。