【沿線革命060】鬼怒川の堤防決壊は、上流ダムを適正に管理していれば起きなかった!?

阿部 等

鬼怒川沿い各所の降水量

東京大学 生産技術研究所 沖研究室『2015年台風18号鬼怒川洪水関連情報』にて、河川や水に関わる大学研究者の有志が現地調査及び国交省・気象庁等の公開データを整理したものが公開されている。

最初に、鬼怒川沿い各所の降水量を見てみよう。

上流部では、9~10日に相当の豪雨が長時間続いた(台風18号沖研究室その他調査第1報、2015年9月14日、以下同様)


上流部では、9日朝~10日早朝にかけて長時間、非常に激しい雨が降った。私の保線区時代の経験では、時雨量30mmを越えると相当に激しい雨であり、五十里では、9日20時頃~10日3時頃の約7時間、それを大幅に上回る豪雨が続いた。

鬼怒川への支流でも、9~10日に相当の豪雨が長時間続いた

支流では、奥日光と今市では15km強くらいしか離れていないのだが、豪雨の時間帯が数時間ずれており、今回の雨雲は移動が非常にゆっくりだったことが分かる。

中流部では、雨量は上流部ほどではなかった

中流部では、宇都宮で短時間の豪雨があったが、上流と比べると雨量ははるかに少なかった。

下流部も、雨量は上流部ほどではなかった

下流部では、真岡と下妻とも短時間の豪雨があったが、上流と比べると雨量ははるかに少なかった。

最も大きな堤防の決壊は、下妻の少し南の常総市水海道で起きたが、実はその場所での雨量はそれほど多くはなかったのだ。