詐欺集団のマニュアルを入手!
あなたの「マイナンバー」が狙われている

週刊現代 プロフィール

詐欺グループの「マニュアル」

では、実際にはどのようなスキームで詐欺が行われるのか。本誌が今回、入手したマニュアルによると、現段階で行われる見込みが高いのは大別して2つ。

1つ目は還付金詐欺の応用だ。相談相手のいなそうな高齢者に「マイナンバー導入に伴ってお得な節税法があります」とアプローチするもの。

司法書士や税理士を騙り、「300万円節税できるから、保証金として50万円支払ってください」などといってカネを振り込ませる。

2つ目は「あなたのマイナンバーの情報が流出しており、犯罪に使われる可能性があります」と脅す手法だ。

この場合は役所の事務員や警察官のふりをして実際に家におしかけ、「流出を止めるためにすぐに動きますので、銀行の通帳と印鑑、暗証番号をお預けください」と迫るという。

「これらのスキームは、我々がこれまで行ってきた詐欺の延長線上にあるもの。その意味で古典的な手法だといえる。10月から、こういう電話をバンバンかけることになっている。

しかし今後、マイナンバーに銀行口座やクレジットカード、年金や保険といったさまざまな情報が紐づけられることになると、詐欺の手口はぐっと広がる。今まで考えられなかったような大胆な儲け方ができる」(X氏)

アメリカで頻発している「なりすまし詐欺」

当面は、マイナンバーが利用されるのは税務処理や雇用保険、児童手当の給付など行政サービスの分野に限られる。だから、仮に個人番号を盗まれたところで、直接的に金銭的な損害を被る可能性は低いと考えられている。

だが油断は禁物だ。'18年以降、マイナンバーの民間利用が予定されており、銀行、保険などの分野で使用されるようになると被害は甚大なものになるからだ。白鷗大学大学院法学研究科の石村耕治教授が警鐘を鳴らす。

「マイナンバーと銀行口座が紐づけられると大変なことになります。実際、社会保障番号(SSN)の民間利用が進んでいるアメリカにおいては『なりすまし詐欺』が頻発して、大きな社会問題になっているのです」

マイナンバー先進国である米国における詐欺の状況に詳しい、ID管理のコンサルティング会社会長のアダム・レヴィン氏は次のように語る。

「代表的な例は税の還付金に絡んだものです。番号情報を盗み、本人が気づかないうちに所得税の確定申告を済ませて、勝手に払戻金を受け取ってからトンズラするというものです。被害にあった人は、自分が確定申告しようとしたら、税務署に『すでにその番号の人の書類は提出されていますよ』と言われて初めて気付くのです」