地球全体で火山活動は活発になっているのか?

火山国で暮らす私たちが知っておきたいこと(6)
日本火山学会

那須火山帯の火山は、主に輝石(きせき)を含む安山岩を噴出しているのに対して、その日本海側にある鳥海火山帯は、しばしば角閃石(かくせんせき)を含む安山岩が噴出します。化学組成も異なり、鳥海火山帯の岩石はナトリウムやカリウムなどのアルカリ成分に富んでいます。

しかし、この他の火山帯では、必ずしも共通の特徴はありません。

たとえば富士火山帯では、北部に輝石安山岩、角閃石安山岩、南部に輝石玄武岩、安山岩が噴出する他、一部にはアルカリがかなり多いマグマも活動します。また、大山火山帯や霧島火山帯もさまざまな組成のマグマが噴出しています。

火山帯は、日本周辺の海溝に平行して並んでいます。いろいろなマグマが活動している富士火山帯でも、海溝側の火山ではアルカリ成分が少なく、海溝から遠い火山ほどアルカリ成分が多いという、那須・鳥海両火山帯で見られたのと同じ傾向が見られます。

この傾向は千島火山帯などでも同様で、世界的にも、海洋プレートが沈み込むところの火山帯で共通して見られます。

それでは、海溝側から遠ざかる方向へのマグマの性質のこのような変化には、なにかの特徴があるのでしょうか?

大陸プレートの下に沈み込む海洋プレートの上面で地震が起きます。これは地下深部で面的に起こるので、ここを深発地震面といいます。つまり深発地震面は、沈み込んだ海洋プレートの所在地を示しているわけです。

そして、上のマグマの性質の変化は、沈み込みによる深発地震面の深さと相関関係があり、このことから沈み込みが起きる場所の火山は、沈み込む海洋プレートと関係するのではないかと考えられています。

そこで、最近では、海洋プレートの沈み込みと平行する複数の火山帯をまとめて、ひとつの火山帯としています。この場合は、千島・那須・鳥海・乗鞍・富士の各火山帯は太平洋プレートが関係する“東日本火山帯”、大山・霧島火山帯はフィリピン海プレートが関係する“西日本火山帯”としています。

<了>

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