気になるあの山、こんどはいつ噴火する?
浅間山・有珠山・三宅島・雲仙普賢岳

火山国で暮らす私たちが知っておきたいこと(3)
日本火山学会

【Q15】 浅間山で小規模な噴火が発生しましたが、今後どのような噴火が予想されますか?

――A 気象庁が発表する火山情報の中に、火山性微動に触れたものを多く見かけます。

最近の研究では、火山の地下に地下水を多く含む層が広がっており、地下深部から上昇してくるマグマや高温の火山ガスが地下水層と接触すると、火山性微動やさまざまな異常現象を起こすらしいことが分かってきました。

つまり、マグマや火山ガスが上昇してくれば、火山性微動が起きるはずであり、それがまだ起きていないのは、マグマや火山ガスが浅いところまで上昇してきていないからだろうと考えているのです。

しかし、火山性微動が観測されなければ噴火がないとは一概にはいえません。火山性微動と火山性地震の区別は、あいまいなところがあり、火山性地震が数秒間隔で連続して起きた場合には、火山性微動と見ることもあります。

火山性微動も火山性地震も、いずれにしても火山内部の活動を示していますから、そのどちらかが、あるいは両方の規模がしだいに大きくなり、かつ発生の頻度を高めるようなら、要注意です。

噴火する浅間山

とくに浅間山を中心とした広い範囲で有感地震や有感微動、鳴動などが頻繁に感じられるようであれば、噴火の規模は大きいと思って間違いないでしょう。避難などの必要も出てきます。

浅間山の活動には天明の噴火(次のQ16参照)のように短期間に大量の軽石や火山灰、溶岩を噴出する場合と、最近の桜島や浅間山の噴火のように小ぶりの噴火(といっても人間の感覚ではけっこう大きい)が数10年から100年以上の長期間続く場合があります。

最近の浅間山の噴火活動は19世紀の終わりにはじまり、20世紀の初めにはもっとも規模の大きな噴火が続きました。火口の中をせり上がってきた溶岩が溢れて火口の縁まで来ていたそうです。

その後も浅間山の噴火活動は10年程度の間隔をおいて続きますが、規模は少しずつ小さくなっていき、火口底も深くなっていきました。1973年の噴火までは、マグマが火口の底まで上昇してきましたが、1982年以降の噴火はマグマが火口の底まで上昇することなく起きています。

浅間山では早くから火山性地震の研究が行われ、噴火の前に地震の数が増加するため、1960年代から噴火の確率予測が試みられてきました。1973年の噴火まではこの方法で噴火の予測がほぼ成功していましたが、1982年以降は、噴火の直前には、地震数があまり増加しなくなりました。

これは1973年の噴火まではマグマが地震を伴いながら上昇を続けて比較的大きな噴火を起こしたのに対して、1982年以降はマグマが途中で上昇を停止し、地下水と接触するなどして小さな噴火を起こすようになったことが原因と考えられています。

今の浅間山では、大きな噴火はない代わりに、小さな噴火が明瞭な前兆なしに起こるようになっているといえます。