3分でわかる「郵政上場」~歴史上類をみない親子上場と、そのインパクトについて

何がすごくて、何が問題なのか
田中 博文 プロフィール

「親子上場」のなにが問題なのか

そして、日本郵政社長は13年から元東芝会長の西室泰三氏が務めています。現在はこの運営方針の下、上場準備が進んでいます。

J-CAPITAL PARTNERS作成

(売却スキームについて)

J-CAPITAL PARTNERS作成

全体の企業価値評価(バリュエーション)にもよりますが、今回の上場の資金調達額は約1兆円から2兆円との間と言われており、財務省としては、その資金をいかに多く財務省が確保し、東日本大震災の復興支援に回すかが重要とされています。

その過程の中で、当初、持ち株会社の単独上場を目指していた計画は、西室社長の強い意思により、ゆうちょ銀とかんぽ生命も併せた、過去に例がない巨額の「親子同時上場」となる予定です。

なぜ西室社長は、当初の単独上場を変更し、3社同時上場を目指すのか?

そのカギは時間だと思われます。

日本郵政が全株式を保有する場合、金融2社が新規事業へ参入するためには政府の認可が必要です。しかし、日本郵政による保有比率を50%以下まで下げれば、届出制に緩和され、今後の事業展開が加速されます。

グループの企業価値を高めるためには、金融2社の事業基盤の拡大は不可欠であり、努力義務とはいえ、日本郵政の保有比率を早期に50%以下までに引き下げることは極めて重要です。そして、この2社を同時上場させることが、その目的を達成のためには一番有効だと考えたのでしょう。

そして、財務省の目的である復興財源の確保については、財務省が保有する日本郵政株の自社株買いでその目的を達成しようと考えているようです。最近の世界的な株価下落も含めて、本当にその通りマーケットが機能するかわかりませんが、現状はこのようなスキームで上場することになりそうです。