後悔しない「遺品」の片付け方

田舎の実家、衣類、想い出の写真……
週刊現代 プロフィール

親が生きているうちに始める

遺品整理の労を軽減する上で、シンプルだがとても有効なことがある。それは「親が生きているうちに準備を進める」ということだ。

重要書類や貴金属、そして現金をどこに置いているのか、まずはノートに整理してもらう。その上で、もし防犯上の心配があるのなら、そのノートを親族に預けるか、銀行の貸金庫に入れておく。そこまでできれば安心だろう。

だが、親が健在のうちに遺品整理の話を出すことに抵抗がある人も多いはず。「早く死んでほしいのか」「親のカネをあてにしているのか」と誤解され、無用な親子関係のもつれに発展するケースも少なくない。

「生前の整理を切り出す際に大切なのは、今後親に起こりうる問題を丁寧に説明することです。たとえば、病気で長期入院するかもしれない。そのとき、どんな保険に入っているかわからないと困るはずです。そうした場合に備えて、どこに重要書類があるか教えて欲しい、と頼むんです。それなら親も自分のためだと納得できるので、安心して教えてくれるでしょう」(前出の坂岡氏)

さて、ここまで様々な遺品について見てきて、家の中は片付いた。だが、もう一つ、難物が控えていることを忘れてはいけない。それは、亡くなった親が住んでいた「家そのもの」だ。

両親が共に亡くなり、子供たちが全員地元を離れて生活基盤を築いている場合、その家は今後誰も住まない「空き家」になる。今年2月から「空き家対策特別措置法」が施行され、空き家を所有している人は、場合によってはこれまでの6倍の固定資産税を取られる可能性も出てきた。

さらに8月25日には、空き家を改修、撤去する人に最大25万円の税制支援がされることも決まった。実家の「空き家問題」にはすみやかに手を打つべきである。

高齢社会問題に詳しい東北大学特任教授の村田裕之氏が言う。

「よくあるのが、親が亡くなって所有権を移転しようと思ったら、不動産登記の名義人が祖父のままだったというケースです。それが死後にわかると、名義人変更の手続きがさらに面倒になり、話が進まなくなるのです」

だからこそ、重要書類のありかとともに、家の処遇についても親の生前に話し合っておくほうがいいと、専門家は口を揃える。