後悔しない「遺品」の片付け方

田舎の実家、衣類、想い出の写真……
週刊現代 プロフィール

一人暮らしだった義父が施設に入るにあたり、3年前に夫と共に実家を整理した井上良美さん(58歳)が語る。

「義父の住まいは賃貸マンションだったので、早く整理して出ていかなければなりませんでした。だから、アルバムや食器を手にとるたびに静止する夫を『そんなことじゃいつまで経っても終わらないわよ!』と急かし、3日で終わらせました」

義父の趣味は骨董品。埃をかぶった壺や掛け軸がいくつも出てきたが、良美さんはすべてを「ゴミ」として捨ててしまったという。

「いまでも夫は、『貴重なものもあったはずなのに、お前が急かすから捨てるハメになった。これでは親父も報われない』と私を責めてきます。それで大ゲンカになったことも、1度や2度じゃありません。こんなことなら、もう1ヵ月分家賃を余分に払ってでも、ゆっくりと整理しておけばよかったと思います」

遺品を捨てることは、想い出を捨てることでもある。処分すれば二度と戻ってくることはないのだから、整理の方法はよく考えたほうがいい。貴金属や骨董品など、故人の思い入れが強かったものならばなおさらだ。前出の坂岡氏が言う。

「貴金属の場合は、親が購入した店がわかるなら、そこに引き取ってもらうのが一番良い。妥当な金額で引き取ってもらえることが多いですね。どこで買ったかわからない場合も、適当にリサイクルショップに頼むのは避けたほうがいい。貴金属や骨董品などで一番安心なのは、デパートです。外商に相談すれば、予想以上の高値がつくかもしれません」

絶対に見つけておくべき重要書類

触れるのが後回しになったが、遺品の整理をする上で、絶対に見つけておかなくてはいけない重要書類がある。

たとえば預金通帳や土地の権利書、保険証券や株券などがそれにあたる。それらは「資産」であり、現金や貴金属とあわせてすみやかに確保しなければ、相続の手続きもできなくなる。

だが近年、子供たちが全員地元を離れているような家では、ここで手間取ることが非常に多いのだという。

「まずは故人がエンディングノートを書いたかがポイントです。書いていて、それが見つかれば楽ですが、書いていない人も多いし、『書いているかもしれないけど、そのノートがどこにあるかわからない』というケースもある。その場合は、まずはそのノートを見つけるために家探しをする、ということになります」(前出の木村氏)