後悔しない「遺品」の片付け方

田舎の実家、衣類、想い出の写真……
週刊現代 プロフィール

ですから、私たちはこうアドバイスをするようにしています。家を片付けても、『想い出』や『想い出の品』は残すことができる。ただ、何もかも取っておくわけにはいかない。だからこそ、『大事なもの』を見極めることが重要なのだ、と」

まずは「分ける」

では、いざ膨大な遺品に直面したときに、何から始めればいいのか。

片づけなきゃ親の家』の著者で日本ホームステージング協会代表理事の杉之原冨士子氏は、まずは「分ける」ことから始めることをすすめる。

「遺品整理とはすなわち、想い出に優先順位をつけることです。その際に、明確な三つの基準を設けておくと、迷うことが減ります。それは『必要なもの』『捨てるもの』『保留』。その三つに分けて整理するといい。

遺品の片付けが進まないのは迷うから。迷うと時間と体力をどんどん消耗してしまいます。なので、少しでも迷ったら『保留』としてまとめておき、後で考えるのがコツなんです」

三つの基準を明確にするメリットは、判断を惑わす他の基準を排除できることだ。その最たるものが、「使えるかどうか」という基準。これを考えだすと、遺品の片付けは完全に停滞する。

「極端な例ですが、使えるからといってハンガー一つすら捨てられなくなる人もいる。たとえ使えても、ハンガーが『遺品』と呼べるでしょうか? 即座に『捨てるもの』のカテゴリーに入れるべきです」(生前整理アドバイザーの上東丙唆祥氏)

そして、その判断基準によって整理を行おうとすれば、ほとんどのものは「不要」だと気付けるだろう。遺品整理は「基本的に捨てる」という考え方で臨むものなのだ。

とはいえ、中にはどうしても判断に迷う遺品も出てくる。

その筆頭として多くの人が口を揃えるのが、衣類だ。一昨年に母親を亡くした柴田昇さん(70歳)のケース。

「母が着物好きなのは知っていましたが、まさかあれほど出てくるとは……。50着近くはあり、中には縫い代がついたまま着ていないものもありました。今年のお盆で親戚が集まったときに分けましたが、それでも20着くらい残った。

自分の家にはとてもじゃないが置き場所がありませんから、結局、実家にそのままにしてあります。着物好きだった母の形見でもありますから、おいそれと売り払うわけにもいかなくて……」

柴田さんの気持ちはわかる。だが、母の形見だからと言って、着物が20着も必要だろうか? そこで、こんな方法を取るのがいいだろう。