「超地域密着」で月間450万UU、年間売上13億円を実現――信頼と愛着あるメディアのつくりかた

オランダ最大のローカルメディア「Dichtbij」に聞く
佐藤 慶一 プロフィール

半分ジャーナリスト、半分コミュニティマネージャー

Dichtbijの編集者とコミュニティマネージャー、速報ニュース担当に話を聞いていくつかわかったことがある。ひとつは、ジャーナリストがコミュニティを意識していることだ。

コミュニティマネージャーや速報チームでは、SNSを中心に読者とコミュニケーションをとり、投稿やコメントに反応していた。読者をメディアの参加者へと変えていくと同時に、ジャーナリスト自身も半分コミュニティマネージャーのような振る舞いが求められていた。

ジャーナリストや記者自らが読者とかかわり、読者を増やし育て、投稿やコメントを促す――書き手によるコミュニティビルディングがローカルジャーナリズムには欠かせないのだろう。

もうひとつは、職種の細分化・専門化だ。先述のように、読者と接点をもつ部署が3つ(コミュニティマネージャー、速報チーム、ソーシャルメディアチーム)ある。日本であれば、コミュニティマネージャーとソーシャルメディアチーム、速報チームとソーシャルメディアチームはひとつの職種でもよさそうだが、ちゃんと分かれていることがDichtbijの信頼や強さにもつながっていると思う。

若さも印象的だった。話を聞いた3名とも30歳前後であり、速報チームの平均年齢は25歳だそうだ。ローカルニュースや速報ニュースがメインのDichtbijだが、ほとんどのメンバーが大学院でジャーナリズムを学んでいるか、全国紙や地方紙で記者経験を積んでいる。地方の本社に集まる若者たちの姿には、たしかな勢いがあった。

最後に、Dichtbijが国内外のメディアで紹介されるとき、たびたび「Hyper Local」と形容される。「超」地域密着型のメディアとして、メディア展開やビジネス開発は伝統メディアのやり方、読者とのつながりやコミュニティづくりは新しいやり方で成長してきた。今後、主要都市に絞るなかで、どのようなローカルメディアになるのか。その進化を楽しみにしたい。


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