東京都は、今年の防災の日を期して、防災ブック『東京防災』を作成し都内の全戸へ配布した。災害に対する事前の備えや発災時の対処法などをまとめたものだ。
災害として最も重視しているのは首都直下地震で、表紙を開くと以下が目に入る。
「外出先に潜む危機」として、「電車内」に関して以下のように書かれている。
・座っていたらカバンなどで頭を保護
・立っているときは姿勢を低くして身を守る
・満員電車では手すりやつり革にしっかりつかまり、足を踏ん張って倒れないように
書かれていることはもちろん嘘ではないが、この程度の対応で済むだろうか。
巻末に、首都直下地震時の想定がマンガで描かれている。町はこのように大損壊を受けるという。
地下鉄の車内はこうなるという。これは比較的空いていた場合の絵だ。
さる8月26日の8時55分頃、東京メトロ東西線にて、走行中の列車のパイロットランプが消灯(ドアが開いたことを示す)し、全線で運転中止となった。
JR総武線の人身事故に伴う振替輸送により通常より利用客が多かった中、駅間で19本の列車が停止し、30分以上も乗客が車内にすし詰めになる列車もあった。
東陽町駅で13人が体調不良を訴え、4人が病院に搬送された。というのは申し出た人数に過ぎず、大変な思いをした人数は計り知れない。首都直下地震が朝ラッシュに発生した場合、先ほどの絵の様子ではとても済まない。
以下の絵も描かれているが、これにより乗客がどうなるかや対策は何も描かれていない。