「乳首残像」は効かない!ハンパ君が陥りやすい“AVと現実”の狭間にあるワナ

二村ヒトシ×川崎貴子@高田馬場(第二回)
二村 ヒトシ, 川崎 貴子 プロフィール

エンジニアK ぬいぐるみとかつけるんだ、何のキャラクターが好きなんだろうと思ってちょっとのぞきこんだら、それ……妊婦さんマークだったんですよ。

二村 ひえぇ……。

川崎 「おなかに赤ちゃんがいます」ってやつですね……。

エンジニアK いつもは、かばんにそんなのついてなかったんです。そのときに初めて気づいて、なんだろうと思って。

川崎 そりゃ気になりますよね(笑)。

エンジニアK で、そのあとデザート食べてる時も、ちょっとそれについては聞けなくて。そうしたら、彼女が「私の親友で、彼氏に職がないんだけど、その子はすごくその彼氏と結婚したいと思ってるんだよね。Kくんはどうしたらいいと思う?」って聞いてきたんです。

二村 それって、あの、その彼女自身のことだよね……。

エンジニアK 後から考えると、そうだと思います。ぼくはその時、結婚っていうのは双方の家族も幸せになるためにするものだから、無職であることに親御さんが不安を感じてるならしないほうがいいんじゃないか、って話をしたんですけど。で、帰りに思い切って聞いたんです。「その妊婦さんマークなに?」って。

川崎 おお、聞いたんですね。

エンジニアK そうしたら、「会社の先輩が妊娠して、妊婦さんマークは『みどりの窓口』とかでもらえるって言ってたから、もらってギャグでつけてるの」と。なんか変だなとは思ったんですけど、その子のことをもう好きになってたので、そうなんだって受け入れてたんです。

二村 おお……。

エンジニアK あとその日、彼女がすごく大きな本屋さんの袋を持っていて、中にありえないくらい分厚い本が入ってたんですよね。

川崎 育児書かな……。

エンジニアK 『ゼクシィ』だったのかも。でも、何の本買ったの? って聞いたら料理本だというから、それもそうなのか、と思って。で、デートのときは「次いつ会う?」って話ししてたので、デートの後もメールしてて、「次いつにしようか」って聞いてたんです。そうしたら、くだらない雑談みたいなのにはすぐ返信くれるのに、次の予定に関してはスルーされてて。何か失言でもしたかなと思って、その紹介してくれた友だちに聞いてみたんですよ。

川崎 Kさん、本当にちゃんと全部裏取りしますね(笑)。粘り腰の捜査。

エンジニアK そうしたら、「まあ、あの子ちょっと変わってるから気にしなくていいと思うよ」って言ってくれました。でも、次の日に電話がかかってきて「あの子はやめたほうがいい」って。

二村 何かが判明したんだ。

エンジニアK 「理由はちょっと言えないけど……」って言われたので、ぼくから「あの子、妊娠してるよね?」って聞いて、その通りでした。

二村 Kさん……、想像以上に、いろんな目にあっていますね。

川崎 まあ、世の中にはそういう女性もいますよ。でも、けっこうみんな、本当のことを知らせないでフェードアウトしたりしてるんです。Kさんは裏取り能力があるから、真実をすべて知ってしまう。真実を知るって「さ、では次へ行こう!」と思える人にはいいけど、なかなか切り替えられない人にはきついですよね。もうやめたら? 裏取り。

二村 ああ、そうなんでしょうね。美女のダメ出しについてもそうだったしね。でもここまでいろいろ続くと、女性不信になっちゃいそうだよなあ。

(第3回へ続く)

二村ヒトシ(にむら・ひとし)
1964年、六本木生まれ。慶應義塾大学文学部中退。アダルトビデオ監督。女性側の欲望・男性の性感・同性愛や異性装をテーマに「痴女」「レズ」「男の娘」などのジャンルで革新的な作品を発売。2つのAVレーベルを主宰するほか、ソフト・オン・デマンドの若手監督エロ教育顧問も務める。著書に『すべてはモテるためである』『なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか』(イースト・プレス)、共著に『オトコのカラダはキモチいい』(KADOKAWA)、対談集『淑女のはらわた』(洋泉社)。
川崎貴子(かわさき・たかこ)
1997年に人材コンサルティング会社(株)ジョヤンテを設立。経営者歴18年。これまでに相談にのってきた女性は1万人以上という、女性マネジメントのプロ。女性誌での連載、執筆多数。著書に『上司の頭はまる見え。』(サンマーク出版)。プライベートではベンチャー経営者と結婚するも離婚。8歳年下のダンサーと2008年に再婚。2人の娘を持つワーキングマザーでもある。近著にブログ「酒と泪と女と女」を書籍化した『愛は技術』(ベストセラーズ)。