入居してからでは遅い!
経営が危ない「老人ホーム」の見分け方

「要介護600万人」時代の大問題【後編】
週刊現代 プロフィール

福祉問題に詳しいNPO法人「二十四の瞳」代表の山崎宏氏もこう言う。

「不動産系・建設系の会社がオーナーで、介護企業に委託している施設にはあまり良い印象は持っていません。その地域で評判のいい医療法人が自ら運営している施設が一番リスクが低い」

ただ、「同族経営だったり、大病院だと殿様商売になりがち。クレームが通じづらいというデメリットもある」(外岡氏)ことには注意したい。

職員の定着率

経営母体の情報を見る時に確認したいのが、あまりに急激に介護事業を拡大していないか。一時は華やかでも、職員が育たないまま手を広げすぎて、結局経営に行き詰まるというケースは一般の企業でもよくあることだ。

だが、介護業界ではより一層、常態化している。

職員の定着率は、施設の良し悪しの大きな判断材料だ。ヘルパーがころころ変わるような施設は避けたいところである。

そこで、念入りに確認すべきなのが、介護施設に作成が義務付けられている重要事項説明書、通称「重説」だ。都道府県が各施設に提出させており、誰でもウェブサイトなどで見ることができる。室数と定員はもちろん、介護職員をはじめとした職員の雇用状況、職員一人あたりの入居者数などの情報が記されている。

この「重説」のチェックポイントについて、前出の山崎氏が解説する。

「職員の定着率、なかでも有資格の責任者である介護支援専門員(ケアマネジャー)の勤続年数が短くないかを見ます。ケアマネが長く働いていないということは、低賃金で、さらに無昇給、有給を取得できないなど、職場環境が芳しくない証拠だと考えていい。

もう一つ確認したいのが入居率。開設から1年以上経つのに、入居率が50%に満たない場合は避けたほうがいいでしょう」

入居率が低いと採算が合わなくなり、人件費が削られ職員が減り、サービスの質が下がる。そんな悪循環に陥っている施設は少なくない。

「過剰な宣伝をしたり、紹介業者にカネを払って推薦させている業者も、その分サービスにカネをかけておらず、入居率が低いことが多い」(山崎氏)

介護施設の採算がとれるのは、入居率8割がメドだと言われている。「今ならあの施設が空いているから」と飛び込むのではなく、できれば、8割の入居率を保っている施設を選ぶようにしたい。

また、人材の定着率を判断するための、こんな裏ワザも紹介しよう。

「施設の求人情報を見てください。ハローワークや就職情報サイトで、時給1200~1500円といった求人が出ている場合、そんな好条件でないと人が集まらないということです」(外岡氏)