第10回ゲスト:渡辺新さん (後編)
「親子二代はもちろん、なかには三代にわたるお付き合いのお客さまもいらっしゃいます」

島地 勝彦 プロフィール

渡辺 それからしばらくしてお亡くなりになったので、あれが最期のスーツだったのだと思います。そういう傑出した方々とおつき合いさせていただけるこの仕事は、きっと何歳になっても学ぶことの連続なのでしょう。だからこそ、歳を重ねるのが楽しみで仕方ありません。

日野 島地さんは「今が人生の真夏日だ!」といつもいっていますが、それと通じるものがありますね。

島地 経験すればするほど世界が広がり、楽しいことが増えていく。だから命の炎が燃え尽きる瞬間まで人生は真夏日なんだよ。60過ぎたら定年で、孫に会うのを楽しみにして余生を過ごすなんて男は、人生を味わい尽くしていないと思うね。

渡辺 壹番館のお客様にも高齢の方は大勢いらっしゃいますが、確かにみなさん、どんどん元気になられていく気がします。

島地 それでこそ男というものでしょう。成功者はやはり違いますね。いやいや、今日はおもしろい話をありがとうございました。最期は、ぼくか持ってきた葉巻で〆ることにしましょう。

〈了〉

 

渡辺新 (わたなべ・しん)
1966年、東京都生まれ。「壹番館洋服店」代表取締役社長。1988年、慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、渡欧。イギリスのセントラル・セント・マーチンズ・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザイン、イタリアのドムスアカデミーで洋服作りを学ぶ。97年、代表取締役に。茶の湯をはじめ、日本文化を愛する銀座の異端児。著書に『銀座・資本論 21世紀の幸福な「商売」とはなにか?』(講談社+α新書)。「壹番館洋服店」ウェブサイト:http://www.ichibankan.com/ja/
島地勝彦 (しまじ・かつひこ)
1941年、東京都生まれ。青山学院大学卒業後、集英社に入社。『週刊プレイボーイ』『PLAYBOY』『Bart』の編集長を歴任した。現在は、コラムニスト兼バーマンとして活躍中。『甘い生活』『乗り移り人生相談』『知る悲しみ』(いずれも講談社)『バーカウンターは人生の勉強机である』(阪急コミュニケーションズ)『お洒落極道』(小学館)など著書多数。Webで「乗り移り人生相談」「Treatment & Grooming At Shimaji Salon」「Nespresso Break Time @Cafe de Shimaji」を連載中。最新刊『蘇生版 水の上を歩く? 酒場でジョーク十番勝負』が好評発売中!

著者: 開高健、島地勝彦
蘇生版 水の上を歩く? 酒場でジョーク十番勝負
(CCCメディアハウス、税込み2,160円)
1989年に刊行され、後に文庫化もされた「ジョーク対談集」の復刻版。序文をサントリークォータリー元編集長・谷浩志氏が執筆、連載当時の秘話を初めて明かす。

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